11月18日、帯広農業高校農業科の1年生34名が視察研修で来てくれました。我が息子二人も農業科で学び、野球部に所属してみっちりと教育してもらった。お盆と正月しか帰ってこなかったが、2年半にわたる部活動中心の学校生活は本人たちの人生設計に大きな影響を与えたのではないでしょうか。わずか2年半の期間、坊主頭でもいいではないか。私は今だに坊主頭である。(毛がないので仕方なくですが・・・。)
1時間の持ち時間であったが力が入りすぎてかなりオーバーしてしまった。農場の現在における課題や取り組む事業などを説明してから、平均年齢23歳の職員の自己紹介や農場の感想や将来の展望、香港人職員(日本永住権取得)のパフォーマンスなどを披露する。
農場最大の課題は「労働力の確保」10年前に手間のかかる「野菜」を導入して派遣会社に労働力を依頼していた。徐々に派遣人数が厳しくなり危機感を持ち始めて対策を練る。まずは外国人農業実習生を二人、北海道ツーリズム協会の求人サイト「田舎暮らしのススメ」に掲載して「日本人対象のワーキングホリデー」を募集した。と同時に農場公式ホームページとブログを開設して、農場の日常生活や仕事内容を発信した。
さらに最初に来た台湾人ブロガーが農場の様子を発信してくれた。そうすると本物のワーキングホリデーで来ている外国人の応募がたくさんあり、30歳以下の若者が働きに来てくれた。今までに台湾91人、香港20人(うち女性3名はここで知り合った日本人、台湾人の男性と国際結婚して新規就農等している。香港の女性は積極的にアプローチをして、気が強いが芯がしっかりしていて情熱的である)、ヨーロッパ4人、マレーシア3人、オセアニア3人、USA1人が来ている。
常に10名前後が在籍していて農作業に励み、休日は旅行や観光地巡り、ショッピングなどに出掛けていた。(構成は台湾人や女性が圧倒的に多い。台湾人女性は香港人に似た気性だが更に強いかもしれない。ラータイメーと言われるくらいであるから。香港人と比較してカップル成立は極端に少ない。)
また、台湾の国立大学2校とインターンシップの提携依頼があり、毎年夏季休暇を利用して学生を受け入れ、大学にも出向いて研修報告会などに参加した。のちにワーキングホリデーを利用して再び働いてくれた学生もいる。
当社に就職を希望する学生も多く、外国人在留資格の取得に向けて申請はするものの認可が降りていない。日本ではワーキングホリデーから就労ビザが取得できないことが慣例となっている。ここは何とか緩和してもらわないと、労働力不足は解消されない。魅力ある北海道の農業を経験し理解した高学歴の優秀な人材が失われている。ワーキングホリデーの滞在期間を1年から複数年にしてもらうだけでも効果はある。農水省からも働きかけてもらいたい。
現在の技能実習制度は大きな欠陥を抱える。送り出し機関へ多額の支払い(数百万円)が慣例となっているため、発生する課題は絶えないが国もやっと改革案を発表した。ワーキングホリデーは多額の金額を積んで来ていることはないので問題は発生しずらい。
さて、視察に来てくれた農業科学科の高校生は7割程度が農業後継者もしくは実家が農業であり、遠くは道南、オホーツク地方からも農業を学びに来ている。高校卒業後はゆっくり遠回りで就農することを薦めた。目標は高く設定して、最初から諦めない、最後まで諦めないで目標に進んでもらいたい。大学、専門学校等に入ってからも遅くはないでしょう。(このパターンが多いかな?)
現状の経営に満足することなく、農場経営にとって何が良いものはないかと戦略を立案する。アップルの創業者、スティーブ・ジョブスの好きな言葉 [Stay hungry, Stay foolish!] 日本におけるハングリー精神、無謀な挑戦とでも言おうか。失敗を繰り返し無謀な挑戦を続けながら「i phone」が生まれた。基本的には農業も変わりはないと思う。私の農業人生は「挑戦と失敗」の連続であった。
え〜〜〜と、今はある程度成功してると思いますが・・・・。
