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十勝の活性化を考える会 - 記事一覧
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発行日時
見出し
2023.03.24
いつかのために
<p> </p>
<p>先日、アルバイトで豚丼屋の自動車誘導係をしていたら、札幌ナンバーのマレーシア人がいろいろと質問してきた。簡単な英語で答えたところ、運転手に通じたらしい。私はほとんど英語を話したことはないが、英語は世界共通語だから少しは役に立ったらしい。</p>
<p>ところで先日、地元新聞の編集余禄を読んでいたら、“いつかのために”と題して、元帯広図書館の館長が、「人生に無駄なことなんてないと思っている。どんな経験でもいつか役に立つ。『それはいつ?』」なんて気にすることはない」と書いていた。</p>
<p>私もそのとおりだと思っている。人生にとってすぐに役に立つことはあまりないが、 “果報は寝て待て”といわれるように幸運が必ずやってくるのである。今回の英語スピーチのケースも、その一つと言えよう。</p>
<p>確かに私たちは、自分が持っている技量や才能を活かしたいと誰しも思っているが、私のような中途身体障害者が活かせる能力にもおのずと限界があるのは事実である。 しかし、経験したことやこれから経験することで、残りの人生を味わい深いものにしてくれるのは確かである。だから、現場に赴き、現物をとって、現実を知ることが大切だと思っている。</p>
<p>何でも、経験して初めて分かることが多い。“百聞は一見に如かず”と言われるゆえんだろう。経験することで、違う世界を見ることができる。そして、見たことによって自分の考えが変わってくるのである。例えば、戦場に身を置くことにより命の大切さを知るであろうし、平和の尊さや戦争の悲惨さを一層知るであろう。だから、一刻も早くウクライナ戦争は終了しなければいけないのである。</p>
<p>話は変わるが、宇宙航空研究機構(JAXA)の「H3」号の打ち上げが失敗した。約2,800億円が泡となって消えたそうである。民間であれば、厳しい経営環境にあるので即時倒産であろう。JAXAの人には申し訳ないが、国がやっているから失敗できたのだろう。それが、官と民との違いである。</p>
<p>私の生まれた十勝の大樹町には民間ロケット基地があり、いま各方面から注目を浴びている。雑草のごとく打たれ強い人たちが、いつかのために採算重視で民間ロケットを打ち上げ続けているからである。</p>
<p style="text-align: center;">「十勝の活性化を考える会」会員</p>
2023.03.23
人口減少と企業格差
<p> </p>
<p>国立人口問題研究所の統計では、今後の20年間で約2割の人口減少が予想され、2059年(36年後)には、1億人割れが予想されている。十勝でも、2045年に7万人減少して約27万人の人口が見込まれているので、各企業の売上減少も必至であろう。</p>
<p>大手企業シャープ㈱の外国企業への身売りを考えると、大手企業も大変であることは言うまでもない。ましてや、中小・零細企業は政府からの賃上げ要請もあり、従わざるを得ない企業も多いのが実情だろう。 政府の方針を受けて、賃金4割アップの上場企業もあったが、それをできるのは一部の企業であろう。</p>
<p>しかし、日本の99.7%を占めているといわれる中小企業が賃上げしなければ、ますます世界から遅れをとっていく日本だろう。それでは、何をすべきだろうか?</p>
<p>私は、中小企業同友会が進める“SWOT分析”が、経営改善にとって有効だと思っている。SWOT分析とは、経営戦略等を検討するための分析手法で、自社などの内部環境と外部環境におけるプラス面(強み、機会)とマイナス面(弱み、脅威)から分析し、強みを活用し、弱みを克服する戦術や対策を検討するものである。</p>
<p>SWOT分析の活用としては、計画の策定が考えられる。将来にわたる問題を捉えて、それに基づく戦略を立てて具体策を作るのである。これを考えるにあたっては、次の項目を押さえておく必要がある。</p>
<p>・国内外の社会、経済動向</p>
<p>・市場や業界動向(需要と供給)、法律や規制</p>
<p>・ユーザーニーズ(嗜好)</p>
<p>・環境の変化 (例えば、東京圏一極集中の解消など)</p>
<p>・環境変化に対する他地域、他国の動きなど (COP21)</p>
<p>以上で分かるように、全ての項目がお互いに関連していることで、これを踏まえて具体策を策定していこう。SWOT分析は、十勝の活性化を考えるうえでもヒントになるので、以下のとおり考えてみた。</p>
<p><強み></p>
<p>・主要産業である農、畜産業の競争力</p>
<p>・国内食料自給率薬40%弱に対し十勝は1,000%超</p>
<p>・「十勝ブランド」の確立、乳製品(チーズ・バターなど)や豚丼等の知名度</p>
<p>・豊かな自然</p>
<p>・豊富な温泉</p>
<p>・開拓者精神</p>
<p><弱み></p>
<p>・農畜産業分野での後継者不足、離農が多いこと</p>
<p>・人手不足の深刻化</p>
<p>・若者を引き付ける産業が少ないこと</p>
<p>・JRやバス等の公共交通網が不十分</p>
<p>・冬期期間が長い</p>
<p>・農薬などによる土壌汚染</p>
<p> </p>
<p><機会>(追い風)</p>
<p>・農畜業が見直されていること</p>
<p>・外国人観光客の増加</p>
<p>・連続テレビ小説“なつぞら”の舞台などにより、な観光客が絶えないこと</p>
<p>・東京一極集中の是正</p>
<p>・リモートワークの進展で十勝への移住者が多い</p>
<p><脅威></p>
<p>・道内の札幌圏への一極集中</p>
<p>・円安による飼料・肥料の値上がり</p>
<p>・TPP11</p>
<p>独断の思いつきで羅列してみたが、大切なことは将来に向けて社員一人ひとりが知恵を出し合い、具体的な手段を検討し実行に移すこと、すなわち、plan・do・check・actionを限りなく実行していくことである。</p>
<p style="text-align: center;">「十勝の活性化を考える会」会員</p>
2023.03.22
和人とは何ぞや・・・
<p> </p>
<p>和人とは、江戸幕府がアイヌと区別するために、自分たちの呼称として使った言葉である。古くは、<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/大和民族">大和民族</a>が自分たちをエミシ(<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/アイヌ">アイヌ</a>)と区別するために用いた自称とされている。文献史料による「和人」の初出は定かではないが、<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/江戸時代">江戸時代</a>後期には、<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/江戸幕府">江戸幕府</a>が当時のアイヌに対する日本人の自称として広くもちいている。</p>
<p>幕末に、<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/ロシア帝国">ロシア帝国</a>の南下に対して領土的危機感を抱いた幕府は、<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/松前藩">松前藩</a>領であった<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/蝦夷地">蝦夷地</a>を<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/天領">公議御料</a>としていた。アイヌ民族がロシアに懐柔されるのではないかという危惧のもと、アイヌを国内の文化・習俗の異なる集団と捉えて、政治的・文化的にも同化を推し進め、蝦夷地の領有を確固たるものにしようとした。</p>
<p>すなわち和人とは、このような文脈の中で使用されはじめた用語であり、歴史的には道南の幕藩体制からの移住・渡来者が、その主たる人々をさしていた。現在では、主に<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/北海道">北海道</a>において、アイヌやアイヌに接する日本人、アイヌ研究者の間で用いられていると言えよう。</p>
<p>アイヌと呼ばれる人々は、縄文人系の人々の遺伝子をより濃く引き継いだ人々の末裔である。つまり、アイヌと呼ばれている人々も、江戸時代に和人と呼ばれた狭義の日本人も、生物学的意味での人種は同じモンゴロイドで、アイヌも和人もルーツは同じで、広義の日本人であることに変わりはない。</p>
<p>両者に差を見つけるとすれば、一つは先住系縄文人と渡来系弥生人の混血度合の差であり、もう一つは水田稲作をベースとした農耕文化と縄文系の狩猟採集文化の中で、どちらを選択したかという文化の差に過ぎないということである。</p>
<p>アイヌと言われ始めたのは18世紀前後で、古くは“エミシ”、その後にエビス、エゾ、アイノ、カイノ、エンチュウなどと呼ばれていた。エミシとは荒ぶる人の意味で、<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤマト王権">大和朝廷</a>から続く歴代の中央政権から見て、現在の<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/関東地方">関東地方</a>と<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/東北地方">東北地方</a>や、<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/北海道">北海道</a>や<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/樺太">樺太</a>などに住んでいた人々の呼称である。本州では、弥生文化が定着したあとも従来の縄文文化を守りつづけ、弥生文化に同化しなかった人々、それが北海道に住んでいるエミシ(アイヌ)だったのである。</p>
<p>大和政権の支配地域が広がるにつれて、エミシの人々が住む範囲は変化していった。近代以降は、<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/北海道">北海道</a>・<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/樺太">樺太</a>・<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/千島列島">千島列島</a>・<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/カムチャツカ半島">カムチャツカ半島</a>南部にまたがる地域の先住民族で、<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/アイヌ語">アイヌ語</a>を<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/母語">母語</a>とする<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/アイヌ">アイヌ</a>を指している学者も多い。</p>
<p>つまり、縄文系の狩猟採集の生活・習慣・文化を最後まで守った人々が、アイヌと呼ばれる人々といえる。私たちがこうした事実を正しく理解することが、アイヌと呼ばれる人々に対する差別の解消の第一歩になるのではと思う。</p>
<p>アイヌ民族がいつから北海道に住み始めたことについては諸説があり定かではありませんが、13~14世紀頃に、アイヌ「文化」が生まれたといわれている。アイヌには、エミシ=アイヌ説とエミシ=アイヌ辺民説がある。いずれにしても日本人にとっては、祖先がアイヌ(エミシ)の血が流れているとは思いたくないという意識があるのではないだろうか。</p>
<p>私たちは、縄文人の末裔のひとつとも言われるアイヌのことを、よく分かっていないと言える。事実として分かっていることは、縄文人から渡来系弥生人を経て現代の日本人まで、様々な混血を経て現代に至っているということである。</p>
<p>“エミシ”はのちに“エビス”、“エゾ”などと呼ばれていた。エゾが使われ始めたのは11世紀か12世紀である。エミシ・エゾ・毛人の語源については様々な説があるが、いずれも確たる証拠はありません。エミシの初出は神武東征記であり、<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/神武天皇">神武天皇</a>によって滅ぼされた畿内の先住勢力ともされている。</p>
<p>神武天皇とは初代<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/天皇">天皇</a>とされる<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/日本神話">日本神話</a>上の<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/人物">人物</a>である。大和政権の支配に服した東国(現在の関東以北)のエミシは<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/俘囚">俘囚</a>とも呼ばれ、本来は大和政権の人々と、人種的な区別をもたない著しく生活・文化様式が異なる人々のことである。</p>
<p>ただ、「エミシそれ自身がアイヌ」、あるいは「エミシのすべてがアイヌの祖先である」と断定できるだけの証拠はない。やがて、エミシの中でも律令国家の支配がおよばなかった北東北から北海道にかけてのエミシが、北方のエミシとして特別視されるようになる。</p>
<p>現在では、エミシがエゾとよばれるようになったころから、エミシがアイヌを指すようになったと見るのが通説のようで、アイヌと思われる「エミシ(蝦夷)」を記した初出は、1356年成立の『諏訪大明神絵詞』にあるとされている。</p>
<p>『アイヌ語から分かる日本史物語』を書いた菅原進氏によると、九州にもアイヌ語地名があるそうで、熊襲や薩摩隼人もアイヌ語族で、彼はエミシ=アイヌ説を唱えている。</p>
<p>なお、北東北にはアイヌ語地名がたくさんあり、青森県の夏泊半島に位置する平内町はアイヌ語でピラ・ナイ(崖・川)と言い、平内町の人口の約5%の名前が“蝦名”で、青森県に多い名前である。もちろん、平内町では一番多い名前である。</p>
<p>北東北地方の人々はアイヌのDNAが濃い人たちで、NHKテレビの大河ドラマの“鎌倉殿の13人”で、たびたび「毛人」という言葉が出てくるが、これもエミシ(アイヌ)のことである。</p>
<p>アイヌという言葉は差別用語でしたから、東北人は言われたくないそうで、“三内丸山遺跡”などの北東北や北海道の遺跡が、世界文化遺産に指定された時も、アイヌという言葉は一切使われていなかった。日本人は、アイヌの人たちが北海道のみに住んでいたと思われがちであるが、全国に住んでいたのである。</p>
<p style="text-align: center;">「十勝の活性化を考える会」会員</p>
2023.03.21
マスク着用
<p> </p>
<p>先日(3月13日)から、コロナ対策のマスク着用が、「個人の判断」にゆだねられた。また、5月8日からは、新型コロナ感染症が感染症法上の分類が、インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられる予定だ。これに伴いコロナ予防接種も、有料になるようだ。父親の母(享年38歳)もスペイン風邪で亡くなっているので、マスク着用が個人の判断にゆだねられて、パンデミックにならないことを願っている。</p>
<p>ところで新型コロナ感染症は、いろいろな意味で人生というものを教えてくれた。コロナ禍は、人が支えられて生きているということを気づかされたのではないだろうか。なぜなら、マスクをしていれば、相手が誰だか分からないで通りすぎることがある。また、相手の笑顔を見ることもできないので、人間関係が分断されたのである。それでなくても人間関係が疎遠になっていく時代であるから、もう一度生きる意味を考えてみよう。</p>
<p>私が高校に入学した時であった。1週間で、50人のクラス全員の名前を覚えて急いで自宅に戻り、褒められると思って父親に報告した。すると父親は、「そんな目的で、高校に入れたつもりではない」と一喝された。今でもこのような父親(享年90)の教育方針が、間違っていたと思っている。</p>
<p>今、学校では陰湿ないじめがあるようだが、相手の気持ちになって考えられない子供たちが増えているようである。親が、そのような家庭教育をしてこなかったことにも原因のひとつがあると思っている。</p>
<p style="text-align: center;">「十勝の活性化を考える会」会員</p>
2023.03.20
住めば都!
<p> </p>
<p>私はサラリーマン時代、北海道・東京・大阪など通算12回にわたって転勤した。見るもの聞くものすべてが新鮮で、それぞれに良さがあり自分をリフレッシュしてくれた。“住めば都!”である。</p>
<p>同じ介護施設を利用している人が言う。「あなたはいろいろなところを見ているから、違いが分かる」と。また、官僚だった方も6年前、東京から田舎の埼玉県熊谷市に移り住んだらしい。熊谷市と言えば猛暑で有名であるが、近くに川もあって涼しく東京に比べて別天地であるらしい。</p>
<p>彼が言う。「地方は、とても住みやすいところだ。ただ、住民のほとんどの人が、その良さを知らないだけである」と。彼の家は、最寄り駅から池袋まで最短で電車で45分、最近では新宿、渋谷、横浜まで乗り換え無しに行ける直通電車も開通して益々便利になったそうである。彼の奥さんは、いつも庭づくりや手作りジャムを作っているらしい。</p>
<p>話は変わるが、「地球は、青かった」 の言葉は、人類初の有人宇宙飛行を成功させた旧ソ連の宇宙飛行士ユーリイ・ガガーリンが、宇宙から地球を見て言ったとされる名言である。地球の美しさを称える表現として広く知れわたっているが、その地球を人類が、地球温暖化の名のもとに汚している。</p>
<p>私たち人類の共通の星である地球が、もはや取り返しがきかない危険性に陥っているのである。それは、最近の多発している異常気象を見れば分かるだろう。まさに、絶体絶命の状況なのである。</p>
<p>私は地球温暖化で、人類の歴史は終わるのではないだろうかと心配している。冷戦終結後の30年を経た今、世界はウクライナ戦争などによってひび割れを起こし不安定期に入ってしまった。国際秩序だけではなく、世界経済も、国内政治も、そして情報コミュニケーションの秩序も大きく揺らいで、世界中に不安が広がっている。加えて、“悪法も法なり”とはいえ、個人情報保護法により人と人とのつながりも失われようとしている。</p>
<p>昨年、NHKスペシャル「未来への分岐点」を放映していた。10年後の2030年には、地球温暖化で地球が大変な状況になっていることが予想されるという番組で、地球環境センターの副センター長である江守正多氏や宇宙飛行士の毛利衛氏も出演していた。</p>
<p>テレビの前には、私のほかに3人の大人が見ていたがあまり驚かなかったので、「茹でカエル」のように見えた。茹でガエルとは、いきなり熱湯に入れると驚いて逃げ出すが、常温の水に入れて水温を上げていくと逃げ出すタイミングを失い死んでしまうカエルのことである。放映内容は地球の温度が上昇して、次のことが起こっており、警鐘を鳴らしていた。</p>
南極の氷が溶けだしており、水没しているところがあること
アマゾン川の流域で乾燥化が進んでいること
シベリアの凍土が解け出していること
北極の氷が解けて、岩がむき出しになっていること
地中のメタンガスが爆発して、炭酸ガスを放出する可能性があること
<p>以上のとおり、人類は戦争をやっている状況ではないのである。</p>
<p style="text-align: center;">「十勝の活性化を考える会」会員</p>
2023.03.19
オンリーワン企業
<p> </p>
<p>私は、零細企業でパートタイマーにより働き始めている。それで分かったのだが、その零細企業を少し変えれば “オンリーワン企業”になれると思っている。その理由は「三方良し」で、従業員が一致団結して働いているからである。</p>
<p>近江商人の経営理念である「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」を社員に徹底していることである。つまり売り手の都合だけで商いをするのではなく、買い手が心から満足し、商いを通じて地域社会の発展にも貢献しているからである。</p>
<p>地元唯一のデパートが閉店し寂しくなった十勝であるが、このような企業が増えていけば、十勝が北海道で一番住みやすい地域になると思っている。そのためには、十勝人ひとり一人が自分の役割を十二分に果たすことだと思っている。そして、一人当たりの生産性を上げることである。</p>
<p>簡単に生産性を上げることと書いてしまったが、これが中小企業にとっては大変難しい。なぜなら、これには人材投資を含めて、お金がかかるからである。この経済計算ができるか否かが、経営陣の器だと思っている。</p>
<p>中小企業経営に携わってきたものとして思うのであるが、企業が伸びるためには差別化戦略を行なうことである。そのひとつにオンリーワン戦略がある。オンリーワン戦略というのは、「他社にない価値を提供し自社を選んでもらう」ための戦略である。自社の希少性を高め、自社にしかない強みを打ち出して、ニッチなマーケットで強い威力 を誇るというメリットがある。ライバルが真似することのできない、自社だけの付加価値をつける戦略のことで、中小企業が目指すべき戦略である。</p>
<p>中小企業の場合、経営資源が大企業に比べて少ないケースが多い。そのため比較的安い投下資金で、高い付加価値をつけることのできるオンリーワン戦略が望ましく、中小企業にとって最も求められるブランド戦略である。</p>
<p>アイデア次第でライバルよりも高い利益率を上げることも可能となるため、中小企業にとって余裕のある戦い方ができる。これに口コミなどの力が加わると、さらに市場を拡大する。顧客の紹介や噂などでどんどん市場が拡大していくため、最終的には、特定市場でブランド化するようになる。</p>
<p style="text-align: center;">「十勝の活性化を考える会」元会長</p>
2023.03.18
スケート王国“十勝”
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<p>十勝は、スケート王国である。古くは、長野オリンピックのスピード競技500mでの清水宏保選手、韓国のインチョンオリンピック団体パシュートで高木姉妹が、北京オリンピックでは、高木美帆選手などが活躍した。高校選手権では、十勝の白樺学園高校スケート部が男女とも優勝した。</p>
<p>同校スケート部は、全道各地から優秀な選手が集まるようで、息子の友人の嫁さんも同校のスケート部であった。同校卒業生でオリンピアンでもあった川原正行監督(67)は、2021年4月、スケート少年団をクラブチームに衣替えした。保護者の負担を軽減することで、子供たちのスケート離れを防ぐことが狙いである。</p>
<p>ソチオリンピアンの辻麻希さんが、昨年、同クラブのコーチに加わり6人態勢になった。スケートするにもお金が必要である。選手を資金面で支えようと、今季は地元企業4社からの支援もあった。</p>
<p>費用負担を理由に引退に追い込まれる選手を救おうと、「所属企業を無くし困っている選手がいる」ということを聞きつけたT企業の社長が同選手を雇用、その選手がインチョンオリンピックにも出場、会社が盛り上がったのは言うまでもない。</p>
<p>こうした地元企業の熱意が、未来のオリンピアンを育むのである。スピードスケートは十勝に根付いたスポーツだから、続けられる環境作りが大切である。札幌オリンピックの開催が決定すれば、スピードスケート会場となる“明治十勝オーバル”が白樺高校のすぐとなりにある。ここでは、高木美帆選手や未来のオリンピアンが練習に余念がないのである。</p>
<p style="text-align: center;">「十勝の活性化を考える会」会員</p>
2023.03.17
アイヌの木彫家“貝澤徹氏”
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<p>2020年7月14日付け朝日新聞の天声人語の記事である。</p>
<p>『北海道の二風谷でアイヌ伝統の木彫り工房を営む貝澤徹さん(61)は、少年時代の一夜を覚えている。ストーブの前で弟と翌日の釣りの話をしていると、両親に「火の神様の前でしゃべったら、全部魚に伝わってつれなくなる」と言われた。</p>
<p>火の神はアイヌの言葉でアペプチカムイ。貝澤さんは、白老町で開業した国立施設「ウポポイ」の作品を頼まれ、この作品を選んだ。「アイヌの文化では、自然界にたくさん神がいる。中でも火の神様ものごとを伝えててくれるんです」。</p>
<p>木彫りのアペプチカムイは、ウポポイの博物館に展示された。貝澤さんの祖母をモデルにした女性の顔を囲み、災が天に伸びる。災の隙間から細やかなアイヌ文様がのぞく。よく見ると、女性の口のまわりや手の甲には、入れ墨の模様があった。</p>
<p>明治政府は、女性の入れ墨や男性の耳輪の風習を禁じるなど同化政策を進めた。狩猟や漁労の生業を否定し、学校でもアイヌ語を話せさせなかった。研究の名で墓から遺骨が持ち去られた。</p>
<p>国際世論におされ、政府がアイヌの人々を日本の先住民族と認められたのは2008年のこと。文化復興のために作ったのが “ウポポイ”である。ただ、「国家が観光に利用」 「先住権はないがしろにされたまま」と抗議する人たちもいる。</p>
<p>貝澤さんが アペフチカムイを彫ったのは、樹齢400年を超える埋もれ木だ。明治以来、150年の間に風前の灯火にされたアイヌの壮大な文化が、再び豊かな火をともすよう願う。』</p>
<p>貝沢徹氏は、息子の義父である。彼の顔を見ていていつも思うのであるが、何と人間らしい顔をしているのだろう。人間らしいアイヌのことを、アイヌ語で「アイヌネノアンアイヌ」というらしい。</p>
<p>【北海道新聞 2018.12.10付け電子版の掲載記事】</p>
<p>平取町二風谷の工芸作家貝沢徹さん(当時60歳)が、アイヌ民族の守り神であるシマフクロウの木彫りの大作に取り組んでいる。札幌市が2019年3月、市営地下鉄南北線さっぽろ駅構内の歩行空間に展示するオブジェだ。貝沢さんは「多くの人に親しまれる作品に仕上げたい」と日々、木づちでのみを打っている。 </p>
<p> 白老町の民族共生象徴空間の20年開業をアピールする「アイヌ文化を発信する空間」に設けられ、同空間では最大のオブジェとなる。貝沢さんは英国の大英博物館に作品を出品するなど高い技術に定評があり、札幌市から今春に制作を依頼された。</p>
<p> 作品はアイヌ民族の守り神シマフクロウが空に飛び立つ姿で、高さは2メートル40センチ、左右の翼を胴体に合わせると、両翼は4メートル超となる。原木は平取を流れる沙流川にあった埋もれ木で「いつか大作を制作するために保管していた」という。</p>
<p> 貝沢さんにとってこれほど大きな作品は初めて。胆振東部地震で工房内の作品も倒壊する被害を受けたが、原木を立てずに作業をしていたため、シマフクロウ像の倒壊は免れた。「立てていたら倒れて割れ、やり直しだった」と話し、守り神に救われたことに感謝している。 </p>
<p> <img src="https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/f3/a4269f4a93e0c2834e31fd11679084dd.jpg" /></p>
<p><a href="https://www.hokkaido-np.co.jp/article_photo/list?article_id=255370&p=2739648&rct=n_hokkaido">木づちで慎重にのみを打ち、作品作りに没頭する貝沢徹さん</a></p>
2023.03.16
友達リクエスト
<p> </p>
<p>私はfacebookをやっているので、“友達リクエスト”が時々ある。現在は、世界中に100人を超える人が友達になっている。アメリカ人、中国人、シリア人など様々であるが、外国人なのに日本語がうまいことに驚いている。</p>
<p>外国にはあまり行ったことがないので、世界各地の人とこのように結ばれるのはうれしいことである。世界が結ばれて、トルコ・シリア地震なども身近に感じることができた。facebookでは、最低限の個人情報を入力することになっているので、相手のことが分かる。</p>
<p>個人情報のことだが、オレオレ詐欺などの特殊詐欺が横行し、個人情報が悪用され殺される人も出ている。このために、「個人情報保護法」というものが出来たのだろう。法律家ではないので分からないが、この法律を悪用して個人攻撃をする輩もいる。“ヘイトスピーチ”などはその最たるもので、この法律ができたのだろう。</p>
<p>ただ、ソーシャルディスタンスなどで人とのつながりが失われようとしている。その原因は、①価値観の多様化、②個人主義化、③人間関係の希薄化などであろう。これらは、いずれも人間の自由に関係している。</p>
<p>人間の自由というものは、“公共 ”というものが前にあって、そのあとに自由がくると思っていたが、現代社会は自由が公共の前にあるようだ。そのことが、住みにくい社会を作っているのではないだろうか。</p>
<p>というのは最近、何かあれば「それは個人情報ですから言えません」とか、「それは個人情報に抵触します」と言われるからである。古代ギリシャの哲学者ソクラテスが「悪法も法なり」といったが、この悪法ともいえる個人情報保護法を、何とかならないものだろうか。</p>
<p>憲法第11条では、「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことができない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる」。</p>
<p>第12条では、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う」。</p>
<p>第13条では、「すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と定めている。</p>
<p>権利を濫用してはならないとは、どういうことだろうか。公共の福祉に反しないということは、どういうことだろうか。私たちは、再度、考える必要があろう。なぜならそれが、過疎化の進んでいる日本の再興となるひとつになると思うからである。</p>
<p>ところで私は72歳になるが、脳出血による障害者で機能回復型デイサービスを利用している。そこにはいろいろな障害者がいて、脳出血や脳梗塞を罹患した人も多いようだ。多いようだと書いたのは、個人情報だから自分から進んで言わないことが多い。</p>
<p>しかし、自分は自分の病気のことを積極的に話すようにしている。なぜなら、そのことによって相手が、このようにしているとか、このようにして治ったなど、いろいろな個人情報を話してくれるからである。</p>
<p>今度、自動車誘導係として働くことになるが、いろいろな情報を取り入れために治ったと思っている。そして、障害に関する情報だけでなく、いろいろな情報を積極的に知識として集めることが長く生きる秘訣だと思っている。ただ、言うまでもないが、人間には運と不運がつきもので、私は運が良かったと思っている。</p>
<p style="text-align: center;">「十勝の活性化を考える会」会員</p>
2023.03.15
食欲
<p>食欲を考えてみた。人間の欲求にはいろいろあるが、その最たるものは食欲だろう。“食足りて礼節を知る”という言葉があるように、顧客満足度を高めるには、お客に対するスタッフの応対と、スタッフの待遇改善(賃金)を改める必要があろう。</p>
<p>なぜかといえば、人間は賃金の多寡によって動く動物であるからだ。賃金が高ければそれを守ろうとして、それなりに人間は動くからである。 ただ、人間は感情の動物であるから様々で、賃金の多寡だけで動くわけではない。動機づけが必要なのである。</p>
<p>私は中途障害者で、リハビリ施設の帝王と言われるほど多くの施設を利用してきた。リハビリ施設には、それぞれ良い面と悪い面があり、自分に合った施設を選ぶことが大切である。それにしても、介護施設のスタッフの賃金が安いのが気になる。</p>
<p>高齢化で、どこもかしこも高齢者向けリハビリ施設やグループホームが立っており、介護スタッフなどの有効求人倍率は高いと思われるが、仕事が楽でないのでなり手が少ないらしい。もっと賃金を上げれば、良い人材が集まり笑顔のスタッフが増えるだろう。何かが変である。 </p>
<p>ところで、私は大阪で働いていたことがある。大阪人は、1年間ぐらい相手の様子を見ている。そして、信用が置ける人物と判断したら、とことん面倒を見てくれる。関西人には、そんなお節介なところがある優しい人たちで、道産子には合っているかもしれない。これが人馬一体の、「馬が合う」ということであろう。</p>
<p>欲にはいろいろあり、人間の5大欲求については、①生理的欲求、②安全の欲求、③社会的欲求、④承認の欲求、➄自己実現などがある。この欲求は、数が大きくなるほど高次元の欲求となる。</p>
<p>資本主義にしても共産主義にしても、この欲求で成り立っている。30年前に出版されたガルブレイスとメンシコフ共著“資本主義.共産主義、そして共存”の本には、資本主義と共産主義の違い、核・原発の脅威、貧富の拡大などが書かれていた。</p>
<p>この本を読んで思ったことは、新型コロナ禍により人々の格差が拡大する中で、資本主義の限界などを指摘したカール・マルクスが、最近、あらためて脚光を浴び、50~100年も経つとお互いが良いところを取り入れているらしい。確かに、資本主義国では福祉に、共産主義国では市場経済に注力している。</p>
<p> この3年あまり世界はコロナに振り回されているが、新型コロナは変異した形で再来する予想もあるので油断大敵である。ただ、地球温暖化で分かるとおり地球環境を破壊してきたのは人間だけであり、米中の対立をはじめ国々の対立ではなく、「共存社会」の実現を図ってもらいたいものである。</p>
<p style="text-align: center;">「十勝の活性化を考える会」会員</p>