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ばんえい競馬士 第001号 コヤノゴー 〈別館〉 - 記事一覧
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2026.03.15
[3/15 第57回イレネー記念(BG1)] 出ることが名誉、勝つことが夢。
<p>1910年にフランスより輸入された種雄馬イレネー。ばんえい競馬が(公認競技として)始まる前のことで、軍用馬や農耕馬の生産強化が目的だったが、多くの産駒を残し、子孫も広がりを見せ、十勝の馬産の礎となったと言われている。<br>そのイレネー像も見守る当レースは、2歳シーズンの最高峰にして生産者の夢。今季の2歳は、第1回能力検査を終えた後に馬インフルエンザに見舞われたことで新馬戦の開始が遅れ、また夏の猛暑もあり、例年以上に厳しい道を歩んできたが、その中でも、鍛錬を重ね、素質を示し、結果を出し、この舞台に立った10頭と関係者にまずは大きな拍手を。<br>ナナカマド賞、ヤングチャンピオンシップ、翔雲賞と、これまで行われた重賞の勝ち馬が異なる大激戦。土曜は砂煙が上がるほど乾いていても時計の出る “サラ軽” だったが、前半速くなると終いは少しかかり、一気の増量で若駒にとっては過酷な荷物となるここは、各馬がどう構えるか。<br><span style="font-size:0.83em;">(定量:690キロ)</span><br><br>昨年暮れのヤングCSを圧勝した<b style="font-weight:bold;">キングウンカイ</b>は、これまで連を外したのはデキが整わなかった二戦だけで、最多の8勝を挙げており素質上位。翔雲賞では末に詰まったように、乾いた馬場でさらに積んでどうかの不安は少々あるが、障害は安定しており定量変わりも歓迎。我慢が利かない馬ではなく、切れ味で抜け出し頂点へ。<br><br><b style="font-weight:bold;">レッドウンカイ</b>の翔雲賞はスパッと抜ける完勝で、僚馬を抑えての重賞勝ち。秋の産駒特別のころまでは末まで伸び切れない面もあったが、いまは脚が続くようになり成長大きい。前二走は慎重に構えているが、ここを目標に障害安定、道中タメを利かせたいだけに流れが落ち着くのも好材料。追い比べの形になればこちらか。<br><br>ナナカマド賞馬<b style="font-weight:bold;">ホクセイイワキヤマ</b>は、10キロ積んだヤングCSでも2着。その後が案外だが、いずれも障害をスムーズにまとめており内容は決して悪くないし、あくまで目標は今回。成長力にはやや不満も、ナナカマド賞では速い時計にも対応したとはいえ本質的には落ち着いた流れのほうが合い、ここでの巻き返し十分。<br><br><b style="font-weight:bold;">オレノコクオウ</b>はナナカマド賞でホクセイとタイム差なしの2着。翔雲賞では障害でモタつき終いも詰まるなど、現状では馬場も荷物も軽いほうがベターな印象はあるものの素質互角。良い脚が長く続かないだけに、さらなる増量では正攻法とはいかず、鈴木恵がどう運ぶかだが、切れ味上位で脚の使いどころひとつ。<br><br><b style="font-weight:bold;">スターノチカラ</b>はここまで[2-5-5-9]と勝ち味に遅いが、前走平場は早めに動いて障害トップ抜けからの3着とデキ上々。切れ味では劣るが、ジリでも長く脚が続き末まで伸び切れる点が魅力で、増量歓迎。終いのかかる歩き比べになった際に浮上してくるのが本馬で、障害をまとめればチャンス十分。<br><br><b style="font-weight:bold;">パワーウンカイ</b>の翔雲賞4着は展開の味方もあってのものだが、障害を下りてからは良い脚を使える。増量となる今回も自力勝負とはいかず、前半を慎重に進めて終いにつなげる形に構えるだろうが、タメれば障害も上がり、前が止まった際には上位浮上の可能性も秘めて。<br><br><b style="font-weight:bold;">インカン</b>は翔雲賞の障害で止まったように、一番上に入ると力差はまだあるが、秋以降の成長が目立つ一頭。前走平場の障害で手間取った直後の増量では慎重に構えざるを得ないが、障害をまとめた際には下りから速い脚を使えて終いよく歩く。先への期待が広がる内容を示したい。<br><br><b style="font-weight:bold;">キョウエイジェット</b>は喘鳴症もあってひと息入れたが、叩き2戦目の前走で力を示し、やはり素質は高い。今回は相手強化に加えての増量となるが、タメて終いを伸ばす競馬のほうが合い、流れが落ち着くのは悪くない。まだ上積みも見込め、ここでもそう差はなく。<br><br>牝馬<b style="font-weight:bold;">ジェイノホマレ</b>は黒ユリ賞では強気に行き過ぎ、結果としてオーバーペースとなり障害で手間取ったが、前走で即修正したように以前よりも障害への不安がなくなり、増量にも対応可能。牡馬相手となる今回は、少しタメて切れ味を活かす形につなげたい。<br><br><b style="font-weight:bold;">ヤマノブラウン</b>の黒ユリ賞は、ジェイノが作る速い流れに呼応したぶん障害で止まり終いも苦しくなったが、本来は障害巧者で増量歓迎。相手強化で強気には出られないだろうが、下りてからジリっぽくても我慢が利き、他馬が障害で手間取った際には粘り込みも。</p><p> </p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20260315/10/banei-koyanogo/f1/71/j/o3530264715760699548.jpg" data-uploaded-image="httddfim4ag83u4af3hn7o"><img alt="" height="315" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20260315/10/banei-koyanogo/f1/71/j/o3530264715760699548.jpg" width="420"></a></p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20260315/10/banei-koyanogo/c6/03/j/o2134300415760699534.jpg"><img alt="" height="591" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20260315/10/banei-koyanogo/c6/03/j/o2134300415760699534.jpg" width="420"></a></p>
2026.03.13
阿部優哉スターイチバン、好機を逃さず! 〈第47回ポプラ賞(BG3)〉
<p>3月8日(日)に行われた二世代限定重賞の第47回ポプラ賞(BG3)は、前々で運んだ<b style="font-weight:bold;">スターイチバン</b>(牡4、坂本)が第二障害トップ抜けから終いも後続を寄せつけず完勝。昨季の翔雲賞、7月のばんえい大賞典に続く重賞3勝目を挙げました。<br>昨年12月デビューの阿部優哉騎手は重賞初勝利、坂本東一調教師は当レース初勝利で重賞通算41勝目。<br>馬場水分2.8%で勝ち時計は1分56秒1。障害一腰から末までしっかり歩いたウンカイダイマオー(牡4、松田)が2着、これに小差で続いたラポピージュニア(牡4、鈴木)が3着。<br><br>『別定2-b』という重量設定で行われた当レース。細かい説明は省きますが、ざっくり言うとオープンに上がると途端にハンデが厳しくなる別定で、A1以下のいわゆる条件馬が4着までを占める結果となりました。<br>中でもスターイチバンは、戦前の記事でも触れたように、前走の世代特別で2着以上だとオープンに昇級して今回790キロになっていたのが、3着でギリギリA1にとどまったために760で出られる有利な状況。意図的になのか結果的になのかはなんとも言えませんが、前走で3着だったことが、ここまで重賞2勝のダービー小差2着馬にとって大きくプラスに作用し、前付けから後続に決定的な差をつける完勝でした。<br>2歳時の能力検査での一番時計馬が、これで今季[8-2-2-2]として順調に成長。道中でスッと前を取れる地脚があり、障害がうまく終い力強く歩き、積んで良し乾いて良しの本格派、軽馬場の切れ味勝負こそ歓迎しないものの、本当に総合力が高い馬と思います。来季の4歳三冠戦線はもちろんのこと、その先へ向けても大きな期待を懸けられるほどの器とは、以前にも書いているとおりです。<br><br>阿部優哉騎手はデビューから93日目の重賞勝利で、これは史上最短記録となるそうですが、たしかに素人目にも、並みの新人ではないと随所で映ります。<br>ただ、ちょっと意地悪な言い方をすれば、そもそもデビュー月のダービーで、なんの実績もない “アンチャン” が有力馬の手綱を渡されたのですから、恵まれ過ぎと言えるほどに恵まれています。<br>もちろん、ダービーでも2着と結果を出し、今回は好機を活かして勝ち切った優哉騎手に対しては最上級の賛辞を贈るべきですが、記録達成者は騎手ではなく厩舎だと私は思いますし、先日の今井千尋の初重賞ほどには心を動かされるものではなかった、とはあえて記しておきます。<br><br>ウンカイダイマオーは結果論的に言えばスターイチバンにもう10キロほしかった印象はありますが、障害をすんなり越えて終いも緩まず歩き、デキの良さを示す好内容でした。<br>今季は休催期間に馬体を大きく減らして開幕を迎えましたが、態勢が整った夏以降は重賞を除けば崩れていませんし、持ち前の登坂力に加え、末脚もずいぶんと強化されて我慢が利くようになってきました。まだまだ伸びしろ大きく、この先タイトルに手が届く可能性も十分でしょう。<br><br>ラポピージュニアは個人馬券的にちょっと狙っていたのですが<span style="font-size:0.83em;">(馬複で(^^;)</span>前々から障害をまとめて速い脚を使い、ハンデの味方があったとはいえ久々にピリッとした内容を示しました。<br>菊花賞を制してはいるものの、現状の力では世代の4~5番手と見ていますが、もとより晩成型の評価、馬体も増えてきて、ここからさらに一段も二段も成長が望めるでしょう。来季の少なくとも一冠目まではハンデをもらえる立場で、今後も注目です。<br><br>ミチシオ(4着)は障害一腰から終いも歩き、もうデキに不安はないと見て良いのでは。あとは長期休養を挟んだぶんを取り戻せるかですが、早くから上で活躍しているとはいえ、意外や晩成の感もありますし、来季は厳しい5歳シーズンでも存在感を増してくれるでしょう。<br>リュウセイウンカイ(5着)は障害下でじっくりタメて一腰、終いもジワジワと伸びてはおり、厳しいハンデを考えれば力は示したと言えます。天馬賞が重賞初制覇で、まだ懐疑的な見方もあるかもしれませんが、私は本物だと思っています。来季は経験を積みながら地力強化を図ります。<br>キョウエイエース(6着)もハンデ頭でしたが、障害で一旦止まった後の二腰目がすぐに入り、末脚も水準以上のものを見せました。ハイレベル世代の中で来季もハンデとの戦いが続き、使い方の難しさはありますが、やはり強いですよ、このダービー馬は。<br>カフカ(7着)は専門紙情報によると、ハミを変えて臨んだとのことでしたが、道中で二度刻み、障害手前でも脚を止め、近走に比べると折り合いはついた、と言って良いでしょうか。最も能力を発揮できる形を陣営が見つけてくれることと思います。<br>ライジンサン(8着)は第一障害までが遅いのは過去にもありましたが、そこから押し上げるでもなく、それにもかかわらず障害で手間取るなどまったく動けず。解説者のコメントにあったように、デキが本来のものではなかったのかもしれません。<br>スマイルカナ(9着)はラストスレイでしたが、曾祖母スマイルフェイスから続く、鈴木邦哉+川添(・佐々木)ブランド、本馬も競馬場に笑顔を届ける産駒を出してくれることでしょう。<br>スーパーシン(10着)は道中で刻みを多く入れ、それはプランどおりだったかと思いますが、障害で大苦戦。これまで障害で止まることがほぼなかった馬ですが、下りてからもアラアラで、久々で仕上がり一歩だったと見るべきでしょうか。</p><p> </p><p>このメンバーなので全馬に触れてしまいましたが、勝ち馬が一頭抜けて馬券的にもほぼ順当、という結果以上に見どころのあるレースだったと思います。<br>引き続き世代重賞を目標とする4歳、俗に最も厳しいと言われるシーズンに挑む5歳と、来季の立ち位置は変わりますが、この先のばんえいの中心となり得る馬たちです。<br>一年後二年後に、どのような姿を示してくれるのか、ともに見届けましょう。</p><p><br><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20260313/02/banei-koyanogo/5e/cd/j/o2228205115759957839.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="387" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20260313/02/banei-koyanogo/5e/cd/j/o2228205115759957839.jpg" width="420"></a></p>
2026.03.08
[3/8 第47回ポプラ賞(BG3)] これぞばんえい、激戦必至の二世代限定重賞!
<p>明け4歳と5歳のトップ級が激突する二世代限定重賞。過去10年では5歳が6勝とわずかにリードするが、世代レベルの比較、上下差50キロのハンデ、土曜の湿った雪で水分を含んだ馬場……。考えるべき要素は多く、それぞれの世代三冠戦その他を重量関係と馬場に注目しつつ見返したいが、これぞばんえいとも言える難しく面白い好カードで必見。<br><span style="font-size:0.83em;">(別定:オープン=770キロ。A1=760、A2=750、B1=740。オープン馬は本年度収得賞金330万円につき10キロ加増)</span><br><br>5歳の天馬賞馬<b style="font-weight:bold;">リュウセイウンカイ</b>。素質開花した今季は、9月の銀河賞での重賞初挑戦を経て、正月の大一番で世代の頂点に。馬体も増えて充実一途、力は本物だが、今回はハンデが大きなカギで、障害下でひと呼吸タメたいタイプでもあり、速くなると後手に回る恐れも少々。追っての味では上位の存在だが、追い比べの形に持ち込めるかどうか。<br><br>柏林賞馬<b style="font-weight:bold;">カフカ</b>は、古馬相手のカーネーションCと、ハンデ頭で臨んだクインカップも制しており、昨季後半からの勢いそのままに今季充実。ただ、今回はいかにもハンデが厳しいし、折り合い面での課題を抱えるだけに、軽い馬に引っ張られても急かすわけにはいかない。終いよく歩くが、軽馬場では切れ味でも見劣り、どこまで。<br><br>昨季のダービー馬<b style="font-weight:bold;">ライジンサン</b>は、天馬賞のゴール前で詰まり三季連続のG1制覇こそ逃したが、きちんと仕上げた際の重賞ではまず崩れず、やはり能力上位。前二走は試走に徹したが、障害はまとめているし、順調に使い込めている点が何より良い。軽い馬との兼ね合いカギでハンデは楽ではないが、増量は問題なく、最後に力を示したい。<br><br>昨季オークスなど重賞3勝を挙げた<b style="font-weight:bold;">スマイルカナ</b>が、当日に引退式を済ませてのラストスレイ。ここも後半勝負に構えるだろうが、770のヒロインズCでも障害一腰から末まで歩いて約15秒差の4着と、相手を考えれば悪くない内容。今季の世代重賞は積む立場だったが、最後の最後に条件好転してハンデ有利。軽馬場も良く、上位進出十分。<br><br><b style="font-weight:bold;">ミチシオ</b>はここまで重賞未勝利とはいえ、善戦歴は多数ある実力馬。内臓疾患で長期休養を挟んだが、天馬賞5着、二走前の世代特別2着と、使いつつの上向きたしか。前走は障害で手間取ったが、本来は巧者の部類で修正は可能。第一障害までが遅いが、周りが積む今回は道中で流れに乗れるか。ここもハンデを活かしての善戦十分で。<br><br>4歳のダービー馬<b style="font-weight:bold;">キョウエイエース</b>。崩れた菊花賞から立て直し、昨季に続いて世代の頂点に立ったのは見事の一言。前走の世代特別も、障害でやや手間取りながらも終い追い上げて地力を示したが、今回は下との重量差がさらに広がってのハンデ頭と厳しい条件。世代レベルが高く、能力は一番だが、積む立場では軽馬場も良いとは言えず。<br><br>菊花賞馬<b style="font-weight:bold;">ラポピージュニア</b>は、その後が案外で、ダービー4着も上位から離されてのものと、積んでの地力勝負ではまだ見劣る。成長途上で、本当に良くなるのは増えた馬体に実が入ってからだが、B1格付にとどまるがゆえに菊花賞馬が最軽量と、ここはハンデ有利。軽馬場が最もプラスに作用するのも本馬で、一変の可能性は秘め要注意。<br><br>大賞典馬<b style="font-weight:bold;">スターイチバン</b>は、ダービーでも正攻法からの小差2着と、堂々の世代大関。菊花賞で切れ負けしたように軽馬場は好まないが、当時ほどは速くならないし、基礎重量の増加は歓迎。前走2着以上だと今回790だったのが、A1にとどめたゆえに760とハンデ有利明白。減量が取れていない騎手に重賞はまだ早いが、好機を迎えて。<br><br><b style="font-weight:bold;">スーパーシン</b>は8月のはまなす賞で今回と同じ二世代限定重賞勝ち。賞金状況も考慮してかダービー以来の五開催ぶりで気配注目だが、一週前には本走路に入れて調整。抜け出しながらも末に緩んで大魚を逸する場面が多く、ひと押しがカギとなるが、ここは正攻法よりも少しタメて切れ味を活かす形に構えるか。初コンビ島津の手腕注目。<br><br><b style="font-weight:bold;">ウンカイダイマオー</b>は回避馬が出ての繰り上がりだが、世代特別勝ちを含む3連勝中と絶好調。展開が厳しくなったダービーでは障害で崩れたが、本来は登坂力上位の存在だし、ここはハンデもある。昇級+増量をものともせずに5歳の小結級を破った前走の中身も濃く、さらに力をつけた。軽馬場も歓迎で、ハンデを活かしての一発注。</p><p> </p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20260308/09/banei-koyanogo/84/95/j/o1128298115758368991.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="581" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20260308/09/banei-koyanogo/84/95/j/o1128298115758368991.jpg" width="220"></a></p>
2026.03.05
中泊行き超特急 ツガルノヒロイモノが制す! 〈第16回スピードスター賞(準重賞)〉
<p>3月1日(日)に行われた軽量戦の第16回スピードスター賞(準重賞)は、道中から先手を取った<b style="font-weight:bold;">ツガルノヒロイモノ</b>(牡7、長部)がゴールまで軽やかな脚取りのまま押し切って快勝。今季6勝目、通算35勝目を挙げるとともに、当レース三度目の出走で初制覇を果たしました。<br>馬場水分2.6%で勝ち時計は50秒4。ここが引退レースだったサクラヒメ(牝8、今井)が三連覇成らずの2着、最後まで速い脚が続いたクリスタルゴースト(牡6、長部)が3着。<br><br>どれだけテンから走れるか、どれだけ末まで速い脚が続くか、と争点がはっきりしているので、普段はグダグダ語る私も、そうは話を広げられないレースです(^^;<br><br>ただ、馬場に関して言うと、だいぶ想定とは違ったものとなりました。<br>金曜夜から土曜朝までみぞれがあり、土曜は時計の出る馬場。多少乾いたとしても日曜も大きくは変わらないだろう、と見ていたのですが、終日の強風で存外に乾いたぶんなのか、軽いとは言えない状態に。それでも馬場水分は2.6%と、少し湿ったイメージも持つ数字ではあったのですが、この時期は馬場を事前に予測するのが非常に難しいものです。<br>これは、早くに結論を出さなくてはならない専門紙の予想記者さんは本当に大変だと、改めて思った次第です。<br><br>ゴール地点からスタート側に向かって吹く強風も多少影響したのか、当レースとしては6年ぶりに50秒を超える決着となりましたが、勝ったツガルノヒロイモノは、これで軽量戦6戦3勝。<br>軽量戦初参戦となった一昨季の疾風賞は、テンからは行けずも差す形での勝利でしたが、今季は慣れもデキの良さもあり、予選も今回も道中からスピードに乗り、高い適性を示しています。<br>とりわけ今回は、一頭抜けて第二障害に達し、終いも速い脚が止まらずに連覇中のサクラヒメを封じたのだから文句なし。来季も軽量戦に使うのなら、他馬の挑戦を迎え撃つ立場となります。<br>通常戦では重賞にわずかに手が届いておらず、まずはそこを目指す戦いが続きますが、特別勝ちも多く、同世代で同生産者の重賞6勝馬クリスタルコルドを収得賞金では上回っているほどです。<br><br>三連覇成らずのサクラヒメは、一週前に引退セレモニーを終えており、レース内容について論じる必要はもうありませんね。<br>輝かしい競走生活については、また改めて触れる機会があるかもしれませんが、歴史的名牝、お疲れ様でした。<br><br>クリスタルゴーストは元来がスピード型、障害に気を使わず思い切って行けて、かつ終いも詰まることのない軽量戦が合っているのでしょう。今回5着のブラックサファイアも、軽量戦で新味を見せたのは長部厩舎在籍時で、適性を見いだすのに秀でた厩舎なのかもしれません。<br>オーシャンウイナー(4着)は条件二度目でずいぶんと行きっぷりが良化し時計も短縮。本来は通常戦の重賞で期待したい馬ではありますが、来季もこの条件が選択肢に加わる可能性はあるでしょう。<br><br><br>このスピードスター賞、ファンからの人気が高いものと認識しております。<br>世界で唯一のばんえい競馬、その中でもばん馬が『走る』姿を見られる、レアなレースです。<br>私は『歩く』競馬のほうが好きになったからこそ、ここでいろいろ書いているわけですが、結局はみんな<span style="font-size:0.83em;">(軽種のように)</span>『走る』 競馬が好きなのかね?(^^;<br><br>それは冗談、と言うか、そんなことはないと確信していますが、見ていて面白いのはたしかで、ヴァリエーションの一つとしてはアリだと思っています。私もこのレースを目的に本場へ足を運ぶこともあります。<br><br>ただし、あえて言いますが、キャッチーである半面、ばんえい本来の持つ奥行きや哀愁を感じられず、これが本質ではもちろんない。<br>それが悪いと言っているわけではありません。でも、たとえば今回のスピードスター賞が切っ掛けでばんえいに興味を持った方がいるならば、次週のポプラ賞、さらにイレネー記念、そしてばんえい記念と、ここからの三週連続重賞こそ見ていただきたい。<br>そちらこそが、『歩く』レースなのに、今回よりもずっとスリリングでドラマティックな、ばんえいの粋が詰まったものですから。そんな思いも抱いております。</p>
2026.03.01
[3/1 第16回スピードスター賞(準重賞)] 電撃の1ハロン
<p>この時期の風物詩ともなりつつある最速馬決定戦。10月の疾風賞と12月の地吹雪賞の上位5頭による軽量戦の決勝で、適性と持ち時計が重要になるが、金曜夜から土曜朝まで湿った雪のあった帯広、表層は多少乾いたとしてもメインの時間帯は軽くなり、40秒台半ばでの決着が濃厚。時計勝負に対応できるスピードと、テンから飛ばして行っても我慢できる持続力が求められる。馬券的には大きな紛れはなさそう。<br><span style="font-size:0.83em;">(定量:500キロ。5歳10キロ減)</span><br><br>【疾風賞組】<br><b style="font-weight:bold;">・ツガルノヒロイモノ</b> [軽量戦通算:2-0-2-1 最高時計:48.0]<br>軽量戦に初参戦した一昨季から疾風賞を制すなど適性を示し、今季も予選を勝利。障害で小脚を使えるし、この条件なら末も緩まず切れ味が活きる。通常戦の内容からもデキは高いレベルで安定、時計短縮も見込めて好勝負。<br><br><b style="font-weight:bold;">・ブラックサファイア</b> [1-5-1-0 43.7]<br>今季は転厩もあって使い出しが遅くなったが、完調手前でも予選2着と、やはり適性は高い。通常戦での障害ムラは相変わらずだが、馬体も増え、状態アップ明白。この条件ではすべて40秒台と高速決着は歓迎で、逆転十分。<br><br><b style="font-weight:bold;">・ダイヤカツヒメ</b> [0-0-2-2 50.4]<br>予選は末まで速い脚が続き、これまでの軽量戦で最も良い内容で時計も短縮。ここで勝ち負けに加わるにはさらに時計を詰める必要はあるが、今季未勝利とはいえ、通常戦を見ても昨季よりパワーアップ。食い下がれるか。<br><br><b style="font-weight:bold;">・クリスタルホーク</b> [0-0-1-4 51.7]<br>三季連続で本戦に進んできたように、この条件への適性は十分。予選でも第二障害に付いたのは一番先でスピード上位、ただし地力で劣るだけに終い突き放されるのが常で、時計も足りないが、ここも見せ場は作りたい。<br><br><b style="font-weight:bold;">・マルホンリョウダイ</b> [0-0-0-4 56.3]<br>予選6着も同厩4着馬が引退したため繰り上がりで本戦へ。通常戦では軽馬場を好むタイプでも、軽量戦だとまた勝手が違い、持ち時計も平凡。近走はデキの良さが目立つが、時計が求められるここに入るとどこまで。<br><br>【地吹雪賞組】<br><b style="font-weight:bold;">・サクラヒメ</b> [6-0-0-0 44.4]<br>天馬賞制覇、ヒロインズC連覇など、重賞8勝を挙げた稀代の名牝のラストスレイ。障害で小脚を使え、持ち前の前進気勢の強さはここでも活きる。軽量戦は過去負けなし、当レース三連覇で華々しいキャリアを締めくくる。<br><br><b style="font-weight:bold;">・クリスタルゴースト</b> [0-1-0-0 54.7]<br>軽量戦初参戦となった予選を2着。2歳時とはいえ通常戦を1分06秒6で一気に押し切った星もあるスピード型、障害に気を使う必要がないのが何より良く、条件への適性は十分。二戦目で時計をどこまで短縮できるか。<br><br><b style="font-weight:bold;">・ヤマカツエース</b> [0-0-2-3 48.0]<br>この条件でも安定しており、適性は十分。近走は終いに緩むことも少なくなり、デキ良く地力強化顕著、引き続き崩れない。ただ、もっと速い馬が前にいるのが軽量戦一連の内容で、大勢逆転までを望めるかとなると。<br><br><b style="font-weight:bold;">・ホクショウレディー</b> [0-0-0-1 55.6]<br>軽量戦初参戦で本戦への出走権を獲得。障害への意識を持つことなく思い切って行ける条件は合うが、時計は平凡。ここに入ると格下となるし、終いの持続力で地力の差が出そうで。軽量利を活かしたいが入着までか。<br><br><b style="font-weight:bold;">・オーシャンウイナー</b> [0-0-0-1 59.3]<br>予選はテンから置かれて道中で流れに乗れず、第二障害を下ったのはシンガリ。そこから押し上げたのは地力だが、時計平凡。条件二度目で上積みは見込めるが、常に上位争いしている馬たちを脅かすほどの一変は。</p>
2026.02.28
メムロボブサップ、史上最多の重賞26勝目! 〈第47回チャンピオンカップ(BG2)〉
<p>2月22日(日)に行われた選抜重賞、第47回チャンピオンカップ(BG2)は、2番手から第二障害を一腰でトップ抜けを果たした<b style="font-weight:bold;">メムロボブサップ</b>(牡10、坂本)が、力強い脚取りで後続を突き放して完勝。当レース連覇(3勝目)を遂げ、史上最多となる重賞通算26勝目を挙げました。<br>阿部武臣騎手は当レース5勝目で重賞通算49勝目。坂本東一調教師は当レース4勝目で重賞通算40勝目。<br>馬場水分1.5%で勝ち時計は2分02秒8。障害一腰から終いもよく歩いたコマサンエース(牡10、金田)が2着、障害を下りてから速い脚を使ったツガルノヒロイモノ(牡7、長部)が3着に続いています。<br><br>正月の帯広記念では障害で止まる場面もあったメムロボブサップですが、今回はまったく隙を見せずに、オレノココロを超える重賞26勝目、1億1801万7500円に達した通算収得賞金でもキンタローを上回り歴代トップに立つという、大記録を達成しました。</p><p>何度も見てきた光景ではありますが、ガッチリと前を取り、障害を力強くすんなりと越え、終いも寄せ付けずの横綱相撲。そもそも負けることが少ない馬ですけど、特にこの800キロ台前半の荷物では、今のボブサップに勝てる馬など競技史上を振り返ってもいるのか、と思わされます。<br>障害間の半ばまではキングフェスタと競る形でしたが、相手は自身より刻むとわかっているし、十分に息を入れながらマイペース。傑出した能力を持つ身としては厳しい流れではなく、当然ながら末まで脚が続くとなれば、他馬が付け入る余地はありません。<br><br>2023年8月の、グランプリデーのことになりますが、帯広競馬場で行われた『重種馬の魅力を考えるシンポジウム』に、谷さんや島津新とともに、竹澤オーナーブリーダーがパネリストとして参加されていました。<br>当時のメムロボブサップは重賞15勝でしたが、その場で竹澤さんは「あと10本取りたい」とおっしゃっていました。<br>オレノココロを超える、ではなく、並ぶと言っていたとメモしていますが、おそらく言葉通りになるだろうとは素人ながらに思ったものです。でも、昨季にこれも最多記録の年間重賞7勝、さらに前走の帯広記念で古馬重賞完全制覇、ここまで成し遂げるとは思いもしなか……いや、普通は思わないっしょ笑<br>加えて言うなら、25勝のオレノココロも、その次の21勝のカネサブラックも、10歳シーズンいっぱいまで使ってのもので、それを9歳シーズンのうちに塗り替えるとは。<a href="https://ameblo.jp/banei-koyanogo/entry-12953222353.html" rel="noopener noreferrer" target="_blank">帯広記念の回顧記事</a>の中でも触れたように、早くから勝ちまくっているからこそですが、ちょっと信じ難い大記録です。<br><br>3月22日にばんえい記念3勝目に挑むこととなりますが、これまで二度負けている<span style="font-size:0.83em;">(2着だけど)</span>1000キロを曳く舞台。いかに戦慄の王者と言えども、今回とはまた違う難しさがありますが、どのような姿を見せてくれるでしょうか。と、その前に次節土曜(28日)の特別にも登場します。<br><br>コマサンエースはボブサップを負かしにいくなら、先に仕掛ける手もある馬。それが前を見る形で運んだのは、まだ良化途上、最後こそが勝負、との意識もあったものと思いますが、馬体が増え、躓きかけるほどにテンから素軽く、使いつつ型通り確実に上向き。さらなる上積みが見込めますし、昨年の大臣賞2着馬、今年も好勝負必至でしょう。<br><br>ツガルノヒロイモノは道中でタメを利かせ、障害で二腰を要したものの下りてから速い脚を使いました。ここに入っての820では厳しいと見て、勝ちにいく競馬ではありませんでしたが、新がうまく切れ味を引き出したと思います。<br>クリスタルコルド(4着)は下見気配良好。第二障害にトップ付けしたのは、出して行ったと言うより、他馬が抑えたぶん自然と前付けの形になったもので、障害下で息を入れて一腰。終いの速い競馬で着順を落としましたが、止まったわけではなく内容に不満なし。次の特別は試走に徹しそうなイメージですが、たしかな手ごたえを持って年度末の大一番へ向かいます。<br>キングフェスタ(5着)はテンに出して道中で抑える自身のパターンでしたが、ここも障害でストップ。冬になってからの内容があまりに良くなく、ばんえい記念に挑戦させるかどうかの思案も必要となる状況です。<br>タカラキングダム(6着)はいつものようにモサモサと出ましたが、道中で帯広記念の時ほど押し上げずに、タメても集中力を切らさない競馬を教えている感も近走はあります。障害で大苦戦し、ひと月後の可能性は薄れたと言わざるを得ませんが、まだ明け6歳。規格外の能力を秘め、いずれ天下を獲れる器との思いは変わりません。<br><br><br>28日土曜の然別賞を経て向かう馬も何頭かいますが、今年のばんえい記念で私が買う馬券は、すでにほぼ決まっています。<br>まあ、中央さんの12月末に行われるG1みたいに、ドライな予想ではなく、買いたい馬を買うというスタンスで臨むのもアリかなと思っておりますので(^^;<br>そのばんえい記念が行われる3月22日は、もう、すぐそこです。<br> </p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20260228/08/banei-koyanogo/a7/2c/j/o3631225615755608303.jpg"><img alt="" height="261" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20260228/08/banei-koyanogo/a7/2c/j/o3631225615755608303.jpg" width="420"></a></p>
2026.02.22
[2/22 第47回チャンピオンカップ(BG2)] 王座統一戦のゴングが鳴る
<p>今季の重賞勝利馬+αに出走権が与えられる選抜重賞。落ち着いた頭数でも、持ち寄られた肩掛けの総数は五十を超える豪華メンバーだが、その半数近くを持つ昨季の大臣賞馬が、空前の大記録をここで達成するかが最大の焦点。春遠からじと思えるほどに寒さが緩んだ帯広、土曜に引き続いて力の要る馬場で、2分10秒前後の決着か。<br><span style="font-size:0.83em;">(別定:オープン=800キロ。A1=790、A2=780。オープン馬は本年度収得賞金350万円につき10キロ加増。4歳および5歳20キロ減)</span><br><br><b style="font-weight:bold;">・メムロボブサップ</b>(ばんえいグランプリ、帯広記念)<br>今季はグランプリ五連覇と帯広記念初制覇を目標に掲げて臨み、前走で古馬重賞完全制覇の偉業を達成。今回はハンデ頭だが、最も隙を見せない800キロ台前半で、主力勢との差は10キロにとどまるとなれば、力で上回るのは幾度も示しているとおり。ここを勝てば、史上最多の重賞26勝、通算獲得賞金でも歴代トップに。決めるか。<br><br><b style="font-weight:bold;">・タカラキングダム</b>(北見記念、ドリームエイジカップ)<br>今季前半は第一障害から登坂を拒否するなど難しいところも見せていたが、立て直して北見記念で古馬重賞初制覇、返す刀でドリームACも手中に。積みながらも強気に出た帯広記念では障害で乱れたが、修正した前走は豪快な差し切り勝ち。ここも障害がカギとはなるが、今度はメムロに10キロもらい。スムーズなら単まで。<br><br><b style="font-weight:bold;">・コマサンエース</b>(ばんえい十勝オッズパーク杯、北斗賞)<br>重賞での善戦歴が多数でもタイトルには手が届いていなかったが、オッズP杯で悲願の初重賞、北斗賞も制した今季。9月の岩見沢記念を右後肢破行で取り消し、休養が長引いていたが、不安解消して1月に復帰。まだ良化途上でも、前走の内容は悪くなく、二度使い今回は馬体も増えてくるだろう。さらに上積み見込めて圏内。<br><br><b style="font-weight:bold;">・クリスタルコルド</b>(旭川記念)<br>5歳で制した昨季に続いて旭川記念連覇を達成。昨季も今季も時計を要す中を勝ち切ったもので、過去のレースぶりからも高重量戦への適性を示していたが、初挑戦となった帯広記念が900を曳いて障害一腰の好内容2着。年度末への意識が強く、自己のペース優先で運ばれるだろうが、前走も素軽く動き好調、引き続き上位争い。<br><br><b style="font-weight:bold;">・キングフェスタ</b>(岩見沢記念)<br>6歳シーズンの今季は障害でヒザの甘さを見せる場面も減り、岩見沢記念で古馬重賞初制覇、北見記念も870のハンデ頭で2着と成長十分。ただ、帯広記念では障害で苦しみ、特別の前走も障害を上がれず。2着だった昨年の当レース同様に後方待機の注文競馬、まずは障害を無難に越えての展開待ちだが、近走のリズムが一歩で。<br><br><b style="font-weight:bold;">・ホクセイヒラリ</b>(ばんえいオークス)<br>昨季の黒ユリ賞馬が、持ち前の登坂力としぶとさを活かして3歳でも世代牝馬の頂点に。ただ、クラスが上がったぶん使い方が難しくなり、小晦日のダービー以来で四開催ぶり。ハンデがあるとはいえ、オークス前はB4に出ていた馬で、ここに入るといかにも相手が強いし、オークスより70キロ重い740。まずは大事に運ぶ。<br><br><b style="font-weight:bold;">・ツガルノヒロイモノ</b><br>重賞未勝利ながらもここに編成。特別条件だと崩れず、今季も準重賞金杯を含む5勝を挙げるなど充実しているが、重賞では結果を出せていない。770のドリームACでも障害で手間取ったように、重賞勝ち馬と同じ820を課せられる今回は正攻法とはいかず、久々の手綱となる島津がどう運ぶかだが、タメて切れを活かす形か。</p><p> </p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20260222/09/banei-koyanogo/dd/7b/j/o1135308915753534409.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="599" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20260222/09/banei-koyanogo/dd/7b/j/o1135308915753534409.jpg" width="220"></a></p>
2026.02.21
大いなる可能性を示したコトブキラベンダー! 〈第51回黒ユリ賞(BG2)〉
<p>2月15日(日)に行われた明け3歳牝馬限定の第51回黒ユリ賞(BG2)は、好位から第二障害を一腰で越えた<b style="font-weight:bold;">コトブキラベンダー</b>(牝3、平田)が終いも我慢してよく歩き快勝。2歳シーズン女王の座に就きました。<br>西将太騎手は黒ユリ賞2勝目で重賞通算11勝目。平田義弘調教師は黒ユリ賞3勝目で重賞通算14勝目。<br>馬場水分1.9%で勝ち時計は1分54秒2。後方待機から終い追い上げたフェスタクィーン(牝3、小北)が2着に続き、終いやや苦しくなりながらもヤマノブラウン(牝3、長部)が懸命に粘っての3着。<br><br>デビューが9月21日と遅かったコトブキラベンダーですが、黒ユリ賞が現在の日程に固定された2010年度以降に限れば、9月デビューの馬が制したのは初めてのこと。<br>もちろん今季は、馬インフルエンザの影響で新馬戦の開始時期が遅くなったことも考慮しなければなりませんが、9月からの使い出しで、ここに賞金順位6番手で出走できたこと自体が能力の証し。今回の勝利で[6-2-1-1]としましたが、単に着順が安定しているだけでなく、どのレースも本当に内容が良いんですよねえ。<br>前で流れに乗り、ヤマを上げて、終い歩く。いたってオーソドックスながらも、いずれのレベルも高くなくてはできない競馬で、派手さがないのが、かえって好感です。<br>障害は本当に巧みですし、ゴール前で一旦詰まったのも、将太が半ば意図的に止めてあげた<span style="font-size:0.83em;">(ルール的にはグレー)</span>もので、完勝と言って良いでしょう。<br><br>昨年のホクセイヒラリに続いて当レース連覇となった平田先生は、重賞14勝中、牝馬によるものが8勝。<br>ホクセイヒラリ、7年前の勝ち馬ジェイカトレアとは、この時点で1000キロを超える馬体の持ち主である点が共通しますが、翌年以降も重賞を制した2頭と比べても負けず劣らずの将来性を感じます。<br>いや、スケールでは上回るかもしれないな。かなり奥がありますよ、この馬は。<br>速い脚には欠け、平場や軽馬場で切れ味比べになった際にはジリっぽさが前面に出ることは今後もあるでしょうが、積んで良く、先への楽しみが広がります。<br><br>フェスタクィーンは第一障害までのスピードで他馬に先に行かれると、無理には行かず息を入れて後方待機。<br>障害天板でヒザをついたものの立て直しは早く、下りてからは長く良い脚を使いました。展開が味方したのはたしかですが、現状では詰めて行くよりも、終いを伸ばす形のほうが合うのでしょう。<br>半兄キングフェスタほどには切れませんが、そのぶん長く歩けるので、流れに合わせた位置を取れるようになれば上を目指せます。今回ヒザをついたとはいえ、タメが利けば荷物自体は多少増えても対応できると思います。<br><br>次にジェイノホマレ(7着)について触れますが、第二障害を前にポンと一頭抜けて前半約43秒でトップ付け。<br>結果論ではなく、リアルタイムで見ていて速いな、と感じましたし、障害で二腰を要し、下りで切れ味は見せるもすぐに脚が止まり、終いアラアラ。<br>荷物と馬場に合っていない、はっきりオーバーペースでしたが、そこは若い阿部優哉騎手、責めるよりも経験としていただければと思います。<br>馬のほうは、カカリも腰の入りも良く、一時期の障害不安を乗り越えて進歩しています。再出発となりますが、素質上位の存在であることには変わりありません。<br><br>ヤマノブラウンは、持ち前の登坂力で先に下ろして粘り込む形を望んでいたと思いますが、天板近くで一旦止まり、理想通りとはいきませんでした。ジェイノホマレの速い流れを無理に追いかけたとは言わないまでも、差す馬ではないので、やはりいくらか前がかりになったでしょうか。<br>障害勝負の展開は悪くないものの、思った以上に速く、少し難しい競馬となりました。下りてから何度も詰まったのは、障害でスムーズさを欠いたぶんもあるでしょうが、それでもよく踏ん張ってはいます。<br><br>アオノメビウス(4着)は障害を我慢してまとめると、終いもジワジワ歩き切っての浮上。ここまで4勝しているとはいえ、本格化はまだ先と映りますし、実が入ればさらに上が見込めるでしょう。<br>クリスタルアッシュ(5着)は障害でモタつきましたが、下って良い脚。残り20mを切ってから苦しくなったようにスタミナ課題ではありますが、素質十分で変わってくる可能性もあります。<br>アアモンドクリン(6着)は天板で一旦止まり一腰とはいきませんでしたが、障害は巧者の部類ですし、終いも詰まりながらとはいえ真面目に曳く印象。馬体も増えてきて、まだまだ良くなる馬でしょう。<br>ディオネダイヤ(9着)は急かさず進めたものの、障害で手間取り、下りてからも歩けず、増量がこたえたでしょうか。最外枠が良くなかった可能性もありますが、諸々の成長待ちです。<br><br><br>戦前の段階では、馬券的にはかなり難しいと思っていて、個人的結果はそのとおりとなりましたが、コトブキラベンダーが示したパフォーマンスには、一頭抜けたかとの印象も持ちました。<br>とはいえ、この世代の牝馬は、なかなかに粒ぞろい。来季に大きく変わってくる馬もいることでしょう。<br>その成長を長い目で楽しむのも、ばんえいの見方です。</p>
2026.02.15
[2/15 第51回黒ユリ賞(BG2)] 2月に早咲き 帯広の市花
<p>明け3歳牝馬限定の重賞。この世代の牝馬は非常に活気があるが、8月に行われた白菊賞、9月のいちい賞の限定特別二戦と、9頭が出走していた前開催A-1平場の結果と内容がまずは参考に。ただし、一気に荷物が増え、馬場もそう軽くないだけに、昨年同様に終い少し縺れる可能性もはらむ。力差小さく難解。<br><span style="font-size:0.83em;">(定量:640キロ)</span><br><br>能検時から動きの良さが目立っていた<b style="font-weight:bold;">ジェイノホマレ</b>は、5戦目の白菊賞を差し切り勝ち。その後は障害が乱れていた時期もあったが、近走は安定感を増し、後半の切れ味に繋げられている。馬場はもう少し軽いほうが良く、減量☆がなくなっての重賞で、前二走詰まった終いのひと押しもカギとなるが、限定戦でチャンス。<br><br>良血<b style="font-weight:bold;">フェスタクィーン</b>は、いちい賞を勝利後にひと息入れた産駒特別でも2着と、やはり好素質。その後がやや物足りないが、障害重点に構えたレースも少なくなく、牝馬同士で改めて。タメが利けば終い伸びても、詰めて行くと甘くなるだけに脚の使いどころは難しいが、流れが落ち着くのは歓迎できる材料で上位圏内。<br><br>賞金順最上位の<b style="font-weight:bold;">ヤマノブラウン</b>は世代屈指の障害巧者で、ヤングCSでもトップ付けからトップ抜け。下りてからジリっぽく切れ味勝負になると分が悪いが、止まらずしぶとく歩き、前走はジェイノに一旦は前に出られながらも差し返しての勝利。増量歓迎、初コンビの島津とは金曜の本走路で呼吸を合わせた。上位争いに。<br><br>デビューが9月と遅かった<b style="font-weight:bold;">コトブキラベンダー</b>は、いきなりの3連勝で臨んだ産駒特別では終い失速したが、右肩上がりのままメンバー中最多の5勝を挙げており素質注目。下りての切れ味には欠けるが、障害はすこぶる安定しているし、馬格あって増量も対応可能。近年の牝馬重賞で良績が目立つ平田、昨年に続き要注意。<br><br><b style="font-weight:bold;">アアモンドクリン</b>はここまで[2-8-1-6]と勝ち味に遅いが、障害は安定しているし、速い脚には欠けるものの終いもよく歩く。今後の成長がまだまだ見込める馬だが、新馬戦の793キロから順調に馬体も増えており、レースぶりからは増量も決して悪くない。歩き比べで味があり、少し終いのかかる展開になれば争覇圏内へ。<br><br><b style="font-weight:bold;">クリスタルアッシュ</b>はヤングCSでも前々から障害を一腰で番手抜け、末に詰まったとはいえ脚も使い内容十分。馬体に実が入ればさらに良くなるだろうが、全兄Cコルド同様に障害巧者で増量に対する不安は小さく、素質では決して引けを取らない。現時点では末の踏ん張りがカギとはなるが、我慢が利けばそう差はなく。<br><br>同厩<b style="font-weight:bold;">ディオネダイヤ</b>はまだ若さが目立ち、集中力に欠ける場面も時折り見られるが、障害巧者で末もしっかりしており好素材。本格化は先だが増量でも対応可能、前走6着はここへ向けて内容重視に構えたもので着順は気にならず、仕上がり上々。重賞でどこまで動けるか注目だが、西謙が選んだのはこちら。一発注。<br><br><b style="font-weight:bold;">アオノメビウス</b>は能検時から素軽い動きを見せており、ここまで4勝を挙げるなど素質互角。前走の障害で止まった後の増量となるが、決して障害が不得手なわけではないし、流れが落ち着くのも悪くなく、息を入れて行ければ対応も可能か。まだ線が細くて本格派は先、対戦比較でもやや劣るが、先々へ向けて内容注目。<br><br><b style="font-weight:bold;">カワノラクシュミー</b>はいちい賞で登坂力を活かしての2着。その後は障害で崩れる場面も目立ったが、渡来に手替わりした三走前からリズムが戻り、再浮上の兆し。右前肢蹄病で取り消した後で気配注目だが、金曜には本走路で最終調整。そう強気には出られないだろうが、他馬が障害で手間取る展開になった際には出番も。<br><br>ここも三頭出しと今季の若駒が動いている坂本で一番勝ちを決めた<b style="font-weight:bold;">カブトダイヤ</b>は、しばらく足踏みが続いていたものの、三走前に追い比べを制して2勝目。ただ、相手強化となった前二走の内容が平凡で、増量となる今回は前半そう詰めても行けまい。まずは障害重点に構えざるを得ず、入着あれば上々か。</p>
2026.02.11
急上昇レッドウンカイが初重賞! 〈第6回翔雲賞(BG2)〉
<p>2月8日(日)に行われた明け3歳牡馬限定の第6回翔雲賞(BG2)は、好位の一角から第二障害を一腰で越えた<b style="font-weight:bold;">レッドウンカイ</b>(牡3、松井)が鋭く抜け出し、重賞初制覇を遂げました。<br>金田利貴騎手、松井浩文調教師ともに当レースは初勝利で、金田騎手は重賞通算13勝目、松井調教師は重賞通算81勝目。<br>馬場水分2.2%で勝ち時計は1分44秒4。一旦詰まりながらもキングウンカイ(牡3、松井)が2着に続いて松井どんぶり、積極策からしぶとく歩き切ったヤマトテンショウ(牡3、谷)が3着。<br><br>単勝1.3倍の支持を集めたのはキングウンカイでしたが、松井は松井でも、ウンカイはウンカイでも、勝ったのはレッドウンカイでした。<br>三走前のヤングチャンピオンシップに挑んだ際には、障害を下りてから速い脚を使えるものの成長途上の段階では、と見ていたのですが、末まで伸び切り3着。さらに続く平場でナナカマド賞馬を破るなど、近走で示していた上昇ぶりのとおりに、ここで最高の結果を出してみせました。<br>ヤングCSでは道中でも障害下でもタメを利かせての後半勝負でしたが、今回は前々の正攻法。利貴騎手の自信、そしてデキの良さと成長が感じられるレース運びで、障害を一腰で越えるとスパッと抜け出し。ゴール直前で一旦詰まりましたが、他馬もその前に止まっていたように、終いの厳しい展開になってのものですし、末の甘い印象があった以前とは異なるものと映りました。<br>ここまで好内容が続けば、もう本物と見て良いですし、この目を瞠る成長力に、3月15日イレネー記念への期待も高まります。<br><br>キングウンカイは障害一腰から下りで速い脚を使い、前をとらえる勢いとも一旦は見えましたが、そこから脚色が鈍りました。<br>他馬より10キロ積んでも能力で上回ると見ていた方が多かったからこその1.3倍で、私もそう考えていましたが、ヤングCSから一気の60キロ増量、それに加えて馬場が存外に重くなったために、ここで越えなければならないハードルが他馬より少し高くなったぶんでしょうか。<br>僚馬がよく動いた面もありますが、内容的には評価下げの必要はなく、イレネーでも当然の主役候補でしょう。<br><br>ヤマトテンショウは積極策に出て障害トップ付けからトップ抜けをはたしたように、障害は本当に巧者。<br>ここに入ると切れで劣ると見ており、実際に下りてから他馬に前に出られましたが、周りが詰まる中を歩き切り、盛り返す格好の3着。荷を積む今後への可能性を示しました。<br><br>パワーウンカイ(4着)は後半勝負で展開が向いたのはたしかですが、ヤングCSでも5着まで押し上げたように、終いは長く脚を使えます。前半もう少し位置を取れるように成長すれば、面白い存在ともなり得るでしょう。<br>ホクセイイワキヤマ(5着)は障害をすんなり越えたものの切れ負け。残り20mと、ゴール寸前で二度詰まり、もう少し歩いてほしかった印象も正直ありますが、イレネー目標で完調手前だったのかもしれません。積んで時計も終いもかかるのは悪くないはずで、イレネーで改めての期待です。<br>インカン(6着)は今回もブリンカー着用。好位でついて行ったものの障害で止まり、一番上に入ると力差はありますが、まだまだ成長は見込め、これからです。<br>スターノチカラ(8着)は障害をまとめたものの、終い存外歩けずに詰まる場面もありました。持続力のある末脚が持ち味ですが、上だと展開待ちでしょうか。<br>オレノコクオウ(10着)は好位の一角から障害をなんとかまとめ、終いも脚を使い見せ場は十分でしたが、最後はアラアラ。荷物も馬場も軽いほうが良いのではないか、というのが現状の印象です。<br><br><br>昨季と同様に、ここまでの重賞三戦の勝ち馬が異なる中で迎える、3月15日のイレネー記念。<br>昨季はナナカマド賞馬キョウエイエースが巻き返しましたが、今季はどのような結末となるでしょうか。生産者の夢である大一番にご期待ください。</p>