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ばんえい競馬士 第001号 コヤノゴー 〈別館〉 - 記事一覧
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2025.09.14
[9/14 第61回岩見沢記念(BG2)] 粛々と、伝統の一戦
<p>ばんえい競馬で最も長い歴史を持つ伝統の古馬重賞。グレード制が導入された2003年当時はBG1で、四市時代は名実ともに岩見沢最大の権威を誇っていた。現在も、グランプリでひと区切りした夏戦線から、荷物がさらに増え、徐々にハンデ差も影響し始め、新たな局面へと映る重要レース。<br>王者メムロボブサップは待機、直前でコマサンエースの取消もあったが、バラエティ豊かな興味深い組み合わせ。日曜の明け方までかなりの雨、表層が少し乾いたとしても軽馬場確実だが、ある程度積むだけに流れはどうなるか。前半詰めて行っての登坂力勝負か、終いの速い切れ味勝負か。レース間隔がやや空いている馬も少なくなく、パドックから注視したい。<br><span style="font-size:0.83em;">(別定:820キロ。本年度収得賞金330万円につき10キロ加増)</span><br><br>7月の旭川記念で連覇を遂げた<b style="font-weight:bold;">クリスタルコルド</b>は、グランプリからダイレクトで三開催ぶり。元来が叩き良化型、馬体減の前二走からひと息入れて臨む今回は再始動戦の意味合いも含まれ、まずは気配注目。本格派がたしかな成長を示し、いまや地力上位の存在、前走は障害でヒザを折ったとはいえ増量に不安なく、ここまで積めば軽馬場も極端なマイナスにはならない。仕上がっていれば。<br><br><b style="font-weight:bold;">キングフェスタ</b>のグランプリは、障害一腰から終い鋭く伸びての2着。増量に対応できた点は収穫だし、前走の特別も障害をスムーズに切ると一気に突き抜け、デキも申し分ない。ハンデと緩い流れが利したグランプリとは異なり、今回は自身10キロ加増を課せられての830、道中から厳しくなるだけに、障害で甘さを出さないことが一番だが、切れ味を活かせるか、末まで脚が続くか。<br><br><b style="font-weight:bold;">インビクタ</b>は三年前の覇者。しばらく勝ち星がないとはいえ、今季も重賞で存在感を示しており、やはり地力はある。以前ほど速いのは好まないが、積む今回は、軽馬場でも周りが行かず、かつ切れ味勝負ともならない適条件。グランプリより前が薄く展開好転、経験上位で830でも少し引っ張って障害トップ抜けの形を作りに出るか。当レースに無類の良績を誇る松井、今年も好勝負。<br><br>5歳<b style="font-weight:bold;">タカラキングダム</b>は元来テンに遅いが、前走はそれにしてもフワフワして第一障害から上がらずの大敗。気ムラな面が強く出てしまったが、続くものでもなく度外視は可能。それでも一戦挟みたかったところで、前開催の取り止めは誤算だが、グランプリでは障害のカカリも二腰目の入りも悪くなかった。荷物自体は問題なく、末脚はここでも一枚上。まともならやはり怖い。<br><br>同じく5歳<b style="font-weight:bold;">マルホンリョウユウ</b>は、一線級を向こうに回して着順以上の好内容が続き、今季ここまでは経験を積みつつ中身の濃いシーズンを過ごしている。世代戦の前走は勝ち馬の切れ味に屈したが、年長馬相手の重賞となる今回に限っては軽馬場も決して悪くない。820は初となるが、間違いなく積んで良いタイプ、まだ経験重視の段階でも、ここでどれだけ動けるか注目。<br><br><b style="font-weight:bold;">ヤマカツエース</b>は障害で乱れることがきわめて少なく、今季の重賞三戦もすべて一腰。終い緩む場面は多いものの、グランプリでもゴールまで歩き切っており、確実に地力強化中。昨季当レースは今回と同じ820で一腰、以前より荷物への対応力も増しているだけに、ここも同様の形を望める。軽馬場歓迎、他馬が障害で手間取った際には見せ場を作るシーンも十分で。<br><br><b style="font-weight:bold;">オーシャンウイナー</b>は昨季後半が好内容の連続で、古馬重賞で一段階上を狙えるだけの準備が整ったかとも思えたが、今季はやや障害が不安定で一進一退。決して積んで悪い馬ではなく、道中で息が入れば820でも対応可能だが、今回は前開催の取り止めもあって実質四開催ぶり。そろそろ一線級相手にも結果を望みたいが、ここでいきなり勝ち負けまではどうか。<br><br>賞金順位15番手ながら編成された牝馬<b style="font-weight:bold;">ダイヤカツヒメ</b>が強豪に挑戦。カーネーションCでは持ち前のスピードとしぶとさを活かしての2着、以前より馬体に幅も増し、真の充実期を迎えた印象。牡馬の一線級を相手に800ではいかにも苦しく、ここは自己のリズム重視だが、馬場が軽くなったのは嬉しい材料。先につながる内容を示したい。</p><p> </p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20250914/02/banei-koyanogo/45/3a/j/o1404387915673027311.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="608" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20250914/02/banei-koyanogo/45/3a/j/o1404387915673027311.jpg" width="220"></a></p>
2025.09.07
調教師会長からのサプライズ?!
アメンバー限定公開記事です。
2025.08.29
3歳スーパーシン、完勝で重賞2勝目! 〈第37回はまなす賞(BG3)〉
<p>8月24日(日)に行われた二世代限定重賞、第37回はまなす賞(BG3)は、第二障害を3番手で下った<b style="font-weight:bold;">スーパーシン</b>(牡3、長部)が軽快な脚取りで抜け出して快勝。昨年12月のヤングチャンピオンシップに続く重賞2勝目を挙げました。<br>藤野俊一騎手は当レース2勝目で重賞通算71勝目。長部幸光調教師は当レース初勝利で重賞通算6勝目。<br>馬場水分1.6%で勝ち時計は1分55秒6。障害を番手で下りたキョウエイエース(牡3、村上)がしぶとく歩いての2着、中団から脚を伸ばしたスマイルカナ(牝4、鈴木)が3着に続いています。<br><br>前走のばんえい大賞典では、一旦抜け出しかかりながらも末に緩み詰まったスーパーシンですが、ここは鮮やかに決めました。<br>スピードがあり、障害がうまく、速い脚を使えて、素材としては一級品でも末のひと押し課題、といったことを大賞典後に書きましたが、今回はゴールまでしっかり。これは課題を克服したというよりも、それが表面に出ない競馬になったと表現するほうが正しいように思います。<br>自身は大賞典と同じ670キロでしたが、4歳勢に対してはアローワンスと格付分の重量差があり、性齢補正後でも上から6番目と、次位ハンデだった大賞典より重量関係が好転。さらに、意外と前の薄い組み合わせとなった今回は流れも落ち着きました。<br>折り合いを欠いたカフカが障害手前で一度刻めずの前半約64秒も、実質的なペースはもう少し遅く、終いの速い競馬。タメながらでも位置を取れ、後半の負担度も大賞典よりは小さかったはずで、下りからの速い脚が鈍らず。<br>障害のカカリで外にヨレそうになったところを慌てずに修正したのは、さすがというか当然というか、しゅんこさんの経験と技術ですが、障害でしっかり腰が入り、下りてからスパッと抜け出した勝ちっぷりは光るもので、やはり並みの馬ではないですねえ。<br>今回の勝利で飛び級でA1に格付けされ、自己条件では相手強化、世代戦では積む身となるだけに、末の我慢を求められる流れになった際には、ちょっと甘さを見せる場面も今後まだあるとは思うのですが、素質は世代筆頭級。次なる目標は11月2日の菊花賞となりますが、もう一段階上への成長が叶えば、さらに先への期待も膨らみます。<br><br>キョウエイエースは好位から障害スムーズ、番手で下ったものの、あっという間にスーパーシンに交わされました。切れ負けの格好とはいえ、一瞬フワッとしながらも末まで歩きましたし、実質ハンデ頭の一角で勝ち馬とは20キロ差という厳しい状況の中で、内容十分でしょう。<br>また、特段にジリっぽいわけでもなく、古馬相手だと違うところもあるのですが、本質的には切れより持続力、叩き合いになって味が出るタイプと見えます。</p><p>シンが勝った当レースと、エースが勝ったイレネーおよび先着した大賞典とでは、ちょっと競馬の質が異なり、その中での結果を踏まえて考えると、両者の違いが徐々に顕在化してきたようには思います。<br>では、先の菊花賞あるいは小晦日ダービーでどうなるか、というのは、馬場・ハンデ・メンバー構成なども絡んでくるので、わかりません(^^;<br>ただ、オープン昇級に加えて本年度賞金も330万円を超え、菊花賞ではさらにハンデが厳しくなるということは現時点でもわかっています。<br><br>スマイルカナは前走で減らした馬体を戻してきた点が好感でしたが、それ以上に下見気配が良く映りました。今季これまでも決してデキは悪くないと見ていましたが、流れが落ち着いたのが良かったにせよ柏林賞より位置を取り、障害もスムーズ。今季の大目標は11月9日のクインカップ、その前に9月28日の銀河賞も使うでしょうが、確実に上向いてきた印象です。<br>カフカ(4着)は利貴騎手がソリに座るような体勢で障害手前で刻もうとしたものの抑え切れず、ええいままよと上がらせる格好。それでも止まらずトップ抜け、さすがに終い苦しくなりましたが、地力は示したとも言えます。御すほうは大変ですし、今回は悪い目と出てしまいましたが、前へ前へと行きたがる気持ちは課題であり長所でもあるでしょう。改めての期待です。<br><br>ショータイム(5着)は51キロの馬体減。それでも極端に細くは見えず、障害をまとめて終いにつなげる形も作りましたが、近走の充実ぶりからすると物足りなく、万全ではなかったと言わざるを得ません。10Rのフクノエルのマイナス78キロにも驚かされましたが、大河原厩舎、どうしたでしょうか。<br>ウルトラコタロウ(6着)は障害で止まり、二腰目は入ったものの、本来は優位に立ちたい障害で乱れる場面も少なくない今季。クラスが上がり、展開的に難しくなっているのはたしかですが、自信を持って臨めるリズムを取り戻したいところです。<br>ウンカイダイマオー(7着)は個人馬券的に期待していたのですが、障害で手間取り、ハンデがあっても上位2頭との力差を感じる内容。本来は障害巧者ですし、デキも整ってはきているので、自己条件から再出発です。<br>ライジンサン(8着)は増えてほしかった馬体がマイナス20キロでは買い目なしでしたが、昨季も当レースのシンガリ負けから立て直してダービーで復活劇を見せました。順調に使い込めるようになれば……でしょうか。<br>ココロノニダイメ(10着)は30キロの馬体減。もともと細いくらいに映る馬、詳細はわかりませんが、障害で大苦戦したレースぶりからも、中間に良くない要素があってのことと思います。立て直しが必要でしょう。<br><br><br>編成段階のパッと見から、ハンデを含めて予想の難しいレースとの印象を受けました。ただ、終わってみれば1→2→5番人気と落ち着いた結果で、私が変にこねくり回して考えていただけなのかな(^^;<br>でも、馬体減のジャッジに悩まされたり、カフカの折り合い難が出たりで、結果として配当的には順当な決着になったとはいえ、ばんえいらしく、予想もレースも面白いものでありました。<br>この世代交流重賞を経て次に挑むのは、それぞれの世代の二冠目。引き続き激戦にご期待ください。</p><p> </p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20250829/09/banei-koyanogo/26/df/j/o1219139515661409372.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="481" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20250829/09/banei-koyanogo/26/df/j/o1219139515661409372.jpg" width="420"></a></p>
2025.08.24
[8/24 第37回はまなす賞(BG3)] 晩夏の世代交流重賞は大混戦
<p>柏林賞とばんえい大賞典、それぞれの世代一冠目を終えた4歳と3歳による二世代限定重賞。現在の日程になった2015年以降の過去10年では4歳が6勝も、連対数では10対10のイーブン。4歳の経験と地力が上回る時期ではあるが、10キロのアローワンスに加えて、総じてクラスが下の3歳がハンデを活かすケースも多々ある。土曜明け方まで雨があったが、日曜は真夏日に達するほど気温が上がる予報、馬場は回復するのか、日没後は変わらず軽くなるのか。荷物自体はそれぞれ対応可能な範囲内だが、少しタメたいクチも多く、この重量関係の中でどう動くか。流れも展開も読みにくく難解。<br><span style="font-size:0.83em;">(別定:オープン=710キロ。A1=700、A2=690、B1・B2=680、B3・B4=670。3歳10キロ減)</span><br><br>4歳一冠目の柏林賞を制した牝馬<b style="font-weight:bold;">カフカ</b>は、5月のカーネーションC勝ちもあり、昨季からの成長大きく充実一途。前走の世代特別は5着も、二開催空けた後であくまで叩き台、内容に不満なく、当然上積みを見込める。実質ハンデ頭の一角と厳しい重量関係、ややジリっぽく切れ勝負は望まないが、末まで脚が続いて力上位。折り合いを欠かず流れに乗りたいが、ここでも。<br><br>ダービー馬<b style="font-weight:bold;">ライジンサン</b>は、前走の柏林賞が今季初戦。馬体を26キロ減らしての登場となったが、障害で手間取り、終いも詰まるなど、本来の姿とは程遠い内容。そこからまた間隔が空き、四開催ぶりとなる今回も仕上がりカギ。まずは馬体回復が絶対条件だが、順調組を相手にハンデ頭と条件は厳しく、どこまで動けるか。デキ上向きを示してからの狙いでも。<br><br>オークス馬<b style="font-weight:bold;">スマイルカナ</b>は、ここまで年長馬相手に勝った記録こそないものの、菊花賞も制しているように世代限定戦なら実績上位の存在。自己条件では内容重視に徹しているが、いずれも障害は一腰でまとめており、デキ自体はずっと悪くない。引き続き積む立場で、ここもタメ気味に運ぶだろうが、柏林賞では末まで歩いての5着。展開次第では出番がある。<br><br><b style="font-weight:bold;">ウルトラコタロウ</b>は柏林賞も含めて重賞で3着七回。決め手一歩でも、昨季後半から末脚強化され以前より歩けるようになっているし、晩成型がたしかな成長を示している。積む立場となった前走は窮屈な展開を強いられ障害で手間取ったが、本来は巧者で修正は可能。ここも軽量の3歳勢との兼ね合いカギだが、登坂力を活かす形を作れれば差は小さい。<br><br>柏林賞2着の<b style="font-weight:bold;">ショータイム</b>は、二走前に自己条件でも初の特別勝ちを収めるなど、デキの良さと成長が目立ち今季充実。柏林賞では二腰を要したとはいえ障害安定、下りてからは良い脚を長く使えて、ひと追いごとによく伸びる。道中でタメは利かせたいが、以前ほど展開に左右されないし、まだB1格付にとどまってハンデも有利。引き続き上位争いに。<br><br>3歳の大将格はイレネー馬<b style="font-weight:bold;">キョウエイエース</b>。今季はA1に格付けされて苦労するかとも思えたが、骨っぽい古馬相手に好内容の連続、大賞典も2着とはいえハンデ頭での小差と、素質と能力の高さを示している。3歳で690を課せられる今回、重量関係はたしかに厳しいが、古馬を一蹴した前走高評価。世代の全体レベルは3歳のほうが高い可能性もあり、ここも好勝負。<br><br><b style="font-weight:bold;">スーパーシン</b>の大賞典3着は、じっくり構えて障害一腰から終いよく伸び、一旦は抜け出すかの場面を作りながらも末に詰まっての惜敗。障害巧者で切れ味もあって素質上位だが、末の我慢が利かない点が現状の大きな課題。それでも力は引けを取らないし、流れが落ち着きそうな今回もタメる形か。ここもひと押しカギだが、重量関係も悪くなく、上位圏内。<br><br><b style="font-weight:bold;">ココロノニダイメ</b>は前走の自己条件特別を一人旅の圧勝。まだ馬体が細く映り本格化は先だが、今季6勝と絶好調。今回は少しタメる形となるだろうが、4着だった大賞典より積むとはいえ不満のないハンデ、障害安定して終いは良い脚を使って追い上げる。地力では見劣るが、成長期で大賞典以上に動けて不思議ないし、ここでも上位食い込みは可能で。<br><br>イレネー記念で2着の星がある<b style="font-weight:bold;">ウンカイダイマオー</b>は、今季の使い出しこそデキが伴わなかったが、使いつつ良化を示し、大賞典でも障害一腰でトップ抜けと見せ場を十分に作っての5着。障害巧者でここも一腰が望めるし、存外に行く馬の少ない組み合わせで、渡来が行かせれば単騎も可能。末も以前ほどパタッと止まらず、ハンデを活かしての粘り込み警戒。<br><br><b style="font-weight:bold;">アルイテイコウ</b>は今季3勝と好調、前走3着も障害トップ抜けの好内容だったが、まだB4格付で地力で見劣る。大賞典では障害で手間取ったように、決して障害が不得手でなくても増量には不安が残るし、ここは後半勝負に構えるか。良い切れ味を持っているが、そう長く脚が続かないし、相手強化。軽量とはいえ、スムーズに運べても入着級か。</p><p> </p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20250824/09/banei-koyanogo/5d/de/j/o1139333315657825360.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="644" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20250824/09/banei-koyanogo/5d/de/j/o1139333315657825360.jpg" width="220"></a></p>
2025.08.17
[8/17 第14回朱雀賞(準重賞)] 世代最強を、改めて問う。
<p>5歳限定の準重賞という、ばんえいならではの番組だが、古馬一線級に揉まれている経験を活かしたい世代二強にまず注目。ただ、前哨戦とも言える7月の瑞鳳賞ではともに乱れ、馬複240倍を超える波乱の結果に。追う組も厳しいシーズンの中で成長を示しており、ここも隙を突かんと意気込む。日曜は昼過ぎから雨の予報で軽馬場見込みだが、どの馬に利するか。最後の世代限定戦で激戦必至、注目の一戦。<br><span style="font-size:0.83em;">(別定:オープン=730キロ。A1=720、A2=710)</span><br><br>昨季の三冠を制した<b style="font-weight:bold;">タカラキングダム</b>は、前走のグランプリでも障害で手間取り、古馬一線級に入るとなかなかスムーズな競馬ができないが、今回は世代戦。瑞鳳賞のように障害で止まりたくはないが、末脚断然で一腰なら間に合う。タメは利かせたいだけに、雨歓迎とは言えないが、他馬が前走より積む中で自身は減量、一枚上の地力示すか。<br><br>ここまで重賞3勝の<b style="font-weight:bold;">マルホンリョウユウ</b>は、古馬一線級相手に経験重視の今季だが、好内容が続き、やはり力上位。瑞鳳賞では騎手との呼吸が合わなかったが、前走で改善が見られたし、引き続き鈴木恵。こちらも雨微妙だが、増量はプラス材料だし、グランプリを自重してここに照準、結果も求めたい場面。登坂力と地力で上回り好勝負。<br><br><b style="font-weight:bold;">クリスタルゴースト</b>は昨季の重賞で2着三回。その後は相手強化に悩まされ、障害も大きく乱れていた時期があったが、今季修正成り、瑞鳳賞は障害一腰から速い脚を使っての抜け出し。前二走も障害重点でスムーズにまとめており好調キープ、タメれば切れる脚を使えるし、軽馬場歓迎。瑞鳳賞より10キロ積む形でも再度上位争い可能。<br><br><b style="font-weight:bold;">ローランド</b>はハンデをもらっていたとはいえ昨季終盤に世代特別2勝。昨季は重賞出走圏内には入れなかったものの、シーズンを通じてほぼ崩れず、素質馬が軌道に乗った。近走は相手強化で結果こそ出ていないが、障害は安定しているし、世代同士なら引けを取らない。もう馬場不問でも湿るのはプラスで、上位進出のチャンス十分。<br><br><b style="font-weight:bold;">ジェイホース</b>は昨季7勝と充実、天馬賞でも3着と大きく力をつけた。前走あるいはポプラ賞のように、ヒザを折る場面もあるにはあるが、障害は巧者の部類だし、増量でも即修正は可能。改めて力試しの場だが、追って味があり、終いは長く良い脚を使える。極端に速くなるのは好まなくても、歩き比べになれば互角以上で上位圏内。<br><br>2歳シーズンにイレネー記念勝ちの実績がある<b style="font-weight:bold;">アシュラダイマオー</b>。長らく不振をかこっていたが、昨季3勝、瑞鳳賞でも一旦先頭に立つ場面を作っての小差4着と活気戻った。前走こそ天板でややモタついたものの、近走は障害をまとめており一腰を望めるし、長く歩ける末脚が戻ってきた点も好感。ここから再浮上の期待がかかる。<br><br><b style="font-weight:bold;">エムタカラ</b>は瑞鳳賞で終いよく伸びての2着、前走も骨っぽい相手に小差3着と近走好調。テンに置かれるだけに展開には左右されるが、昨季終盤からの上昇度が目立つし、追って味があり末まで伸び切れる。全体時計も終いもかかる競馬がベターで、雨は要らないが、ここも後半勝負、障害を下りる位置によっては差し込みも可能で。<br><br><b style="font-weight:bold;">ジェイライフ</b>は昨季の夏場に4連勝をはたすなど急成長。クラスが上がって以降は障害で乱れる場面も目立ち、壁に当たった印象があったが、年度変わりで復調して近走好内容、とりわけ重めの馬場の特別で小差4着に踏ん張った前走高評価。増量カギでもハンデがあるし、馬場が軽くなれば切れ味を活かすのに好都合。注意必要。<br><br><b style="font-weight:bold;">トウケイレーヴ</b>はこれまで世代重賞の出走経験こそないものの、特別3勝を含める昨季8勝を挙げた上がり馬。そのぶんクラスが上がったことにより、5歳シーズンらしい厳しさも味わっている今季だが、初戦の特別を1分39秒3で押し切ったように、軽馬場は大きく利する。雨を味方にスピードと登坂力を活かして見せ場を作れるか。<br><br>牝馬<b style="font-weight:bold;">スーパーチヨコ</b>は、相変わらず末に我慢が利かない課題を抱えつつで、成長力に不満も残るが、カーネーションCで一旦は抜けるかの場面を作ったように、力差はそうない。前開催を左後肢破行で除外となった直後でもあり、ここは後半勝負に構えるだろうが、牡馬相手なら軽馬場歓迎、展開が向いた際には上位食い込みも。</p>
2025.08.16
第9回開催(8/2~8/11)回顧 山鳩賞はリュウセイウンカイ/特別一番勝ちジェイノホマレ
<p>8月2日の葉月特別(B2-1)は、単騎で先行した<b style="font-weight:bold;">ココロノニダイメ</b>(牡3、槻舘)が障害すんなり、そのまま悠々と一人旅で圧勝。前走のばんえい大賞典は4着だったが、ここはアローワンスが活きたとはいえ良い勝ちっぷりで、古馬が相手でも周りは特別実績に乏しい組み合わせなら戦ってきた中身が違ったか。まだ線は細くても素質上位、今季軌道に乗り、世代重賞に手が届いても不思議ないレベルに達している。<br><br>3日のメイン、道産牛乳飲んで健康に!特別(A1混合)は、先行勢が障害で手間取る中を一腰でトップ抜けした<b style="font-weight:bold;">シンエイアロイ</b>(牝6、久田)が押し切って快勝。若いころは軽馬場での切れが目立つ一方で、詰めて行った際には終い甘くなるケースも見られたが、スピードより登坂力を活かすスタイルにシフト、いまは障害で乱れる場面少なく、下りての脚もしっかり。2分07秒7と時計のかかる競馬で、Aクラスの特別を勝ち切れる牝馬はそうそういない。本当に力をつけた。<br>2着<b style="font-weight:bold;">ヤマノコーネル</b>(牡6、今井)はじっくり構えて障害を一腰でまとめると、下りてから良い脚を長く使ってよく追い上げた。今回は勝ち馬が動きすぎたが、自身の持ち味は出せているし、障害安定して好調。今季はもう一段階上も期待できそう。<br>3着<b style="font-weight:bold;">ダイリンファイター</b>(牡9、小林)は形のうえでは昇級初戦も積極策。例によって障害で一旦止まったが、これも普段通りに二腰目が入り、終いもジリでも緩まず約4秒差。勝ち味の遅さはついて回るが、常にマーク必要。<br>4着<b style="font-weight:bold;">ジェイライフ</b>(牡5、坂本)は障害一腰、下りから脚を使って一旦は2番手に上がる場面もあり、終いやや緩んだものの内容十分。昨季後半は相手強化に悩まされたが、うまく立て直したし、経験が活きてくる今季。馬場が軽くなればなお良い。<br>5着<b style="font-weight:bold;">クリスタルゴースト</b>(牡5、長部)は障害重点で後方に構えたが、スムーズに越えると終いの伸びも上々。勝ち負け意識の場面ではなかったが、一時期は大きく崩れていた障害への不安が薄れ、次開催8月17日の朱雀賞(5歳限定準重賞)に良いリズムで臨める。<br>6着<b style="font-weight:bold;">ジェイホース</b>(牡5、松井)は障害でヒザ折り。時としてこれがあるが、立て直しての6秒差なら、そう悪い内容でもない。5歳シーズンで昨季ほどポンポンとはいけないが、巻き返し可能で改めて。<br><br>8月4日の7Rをハヤブサで勝利し、<u style="text-decoration:underline;">中原蓮</u>騎手(23歳、金田勇厩舎所属)が通算50勝に到達。これで減量特典☆がなくなるが、昨季は12月のデビューから特別を含む28勝、今季も順調に勝ち星を積み上げている。期待の若手が増えてきた。<br><br>4日のデネブ特別(B1-2混合)は、道中2番手から障害を一腰でまとめた<b style="font-weight:bold;">コマサンリキ</b>(牡5、金田)が抜け出して快勝。以前から下りての末脚には目立つものがあったが、ここも障害天板でしっかり我慢したように安定感を増し、馬体も1100キロ前後をキープしており実が入った。まだ上も望めるシーズン。<br>2着<b style="font-weight:bold;">ゴールデンペガサス</b>(牡8、大友)は障害で一旦止まったものの二腰目が入り、下りてからは末まで長く良い脚。障害ムラでアテにはならないが、現級では実績も地力も上位で。<br><br>9日の3Rで、サカノハルカが第二障害で内側に転倒、他馬の進路を妨害したとして、手綱を取っていた<u style="text-decoration:underline;">松本秀克</u>騎手は、8月16日~23日の開催4日間騎乗停止に。<br><br>9日に行われた山鳩賞(4歳)は、障害下でじっくりタメた<b style="font-weight:bold;">リュウセイウンカイ</b>(牡4、松井)が追い比べからわずかに抜け出して接戦を制した。3歳時から、勝つ時は鮮やかで素質の高さを覗かせていたが、これで3連勝で特別戦初出走初勝利。さらなる相手強化と増量への対応が課題とはなるが、本格化気配十分で今後も楽しみ。<br>2着<b style="font-weight:bold;">ショータイム</b>(牡4、大河原)は中団追走から障害一腰、終いは長く良い脚を使っての0秒2差。勝ち馬と同等の評価可能で、引き続きデキの良さと今季の地力強化を示している。以前ほど流れに左右されなくなったし、充実一途。<br>3着<b style="font-weight:bold;">ヤマノキング</b>(牡4、久田)は障害天板でややモタついたものの、二腰目がしっかり入り、下りから速い脚。末までよく食い下がり、世代上位級に入ってこれだけ動ければ上々。線の細さは残るが今季充実、世代重賞出走圏内も見えてきた。まだまだ良くなる。<br>4着<b style="font-weight:bold;">フレイムファースト</b>(牡4、金田)は障害一腰から速い脚も使い、内容的には十分。追い比べで劣ったように、もうワンパンチほしいのはたしかでも、今季は柏林賞でも見せ場十分の4着など、徐々に実が入りつつある。<br>5着<b style="font-weight:bold;">カフカ</b>(牝4、金田)は三開催ぶりでハンデ頭、ここはあくまでステップとの位置付け。テンが遅かったが、急がせて折り合いを欠くよりもリズム重視、障害をスムーズに越えて終いもしっかり歩き、なんら不満のない内容。<br>6着<b style="font-weight:bold;">ホクセイハリアー</b>(牡4、金山)は飛ばして行って障害トップ抜け、登坂力を示したが終い苦しく。他馬が追っての味を増している中で、昨季よりも展開の作り方が難しくはなっているが、700キロ超となる銀河賞では、やはり怖い存在。<br>7着<b style="font-weight:bold;">ウルトラコタロウ</b>(牡4、槻舘)は障害で手間取るなど案外だったが、自身が積む立場で前を追いかける形。少し捌きが難しかったか。<br><br>グランプリデーの10日には特別戦が二鞍。9Rの第50回白菊賞(2歳牝馬)は、第二障害を7番手で下った<b style="font-weight:bold;">ジェイノホマレ</b>(牝2、坂本)が下りから切れ味を見せると、末まで脚色鈍らずに突き抜けて快勝、世代最初の特別戦を制した。障害天板はやや危なっかしかったが、終い良いし、新馬戦では末の我慢が利く面も示している。好素質。<br>2着<b style="font-weight:bold;">フェスタクィーン</b>(牝2、小北)は前付けから障害一腰、詰めて行ったぶん下りてから弾けなかったが、終いまでしぶとく歩いて2着争いを制した点は高評価。<br>6着<b style="font-weight:bold;">アオノメビウス</b>(牝2、金田)は障害で手間取ったが、ここまでの3連勝は2分10秒前後。前半約47秒-1分36秒7では、いきなりの対応が難しかったか。<br>当然ながら、まだまだ序列云々を語る時期でもなく、三開催後9月14日の特別いちい賞も注目。<br><br>10Rの第4回ばんえいスタートロフィー(選抜)は、中団から障害をスムーズに越えた<b style="font-weight:bold;">キョウエイエース</b>(牡3、村上)が軽快な脚取りで抜け出して快勝。当日の雨が味方したのはたしかにせよ、骨っぽい古馬相手に堂々の勝ちっぷりで、やはり並みの3歳ではない。世代戦ではハンデがカギとはなるが、実績も今季の中身も一番。<br>2着<b style="font-weight:bold;">カイセドクター</b>(牡8、坂本)にとっては少し速いかとも思えたが、前付けから障害すんなり、下りてもいつものようにしっかり歩き、ここも安定した取り口。荷物も馬場も重くなるぶんには問題なく、次走以降も引き続き上位争い。<br>3着<b style="font-weight:bold;">ツガルフジ</b>(牡5、松井)は前々から早めに仕掛けて障害トップ抜け、よく踏ん張り格上相手に見せ場たっぷり。雨馬場が大きくプラスに作用したが、やはり機を見るに敏な鈴木恵介。<br>4着<b style="font-weight:bold;">コマサンブラック</b>(牡9、金田)は例によって第一障害は遅かったが、道中で追われると素軽く押し上げ、久々にピリッとした内容。今季ここまで着外続きと精彩を欠いているが、復調へと転じる切っ掛けとなるか。<br>9着<b style="font-weight:bold;">ギンジ</b>(牡8、久田)は障害で止まり、ヒザを折るなど大苦戦。もともと障害ムラだけに、これも想定の範囲内と言ってしまえばそれまでだが、速いのは好まない。<br><br>11日のベガ特別(B1-1)は、<b style="font-weight:bold;">アオノソルテ</b>(牡8、金田)が競り合いから力強く抜け出して快勝。近走は現級特別で好内容の連続、非常にデキ良く、障害が安定していることで、追っての味がフルに活きる好循環。次走も勝ち負けだろう。<br>6着<b style="font-weight:bold;">ネオキングダム</b>(牡7、坂本)はもともとテンが速くないが、それにしても行き脚がつかず。10番枠に加え、内の9番馬が除外で単走の格好では、なお良くなかった。中枠ならもう少し行けるか。<br><br>11日の12Rで、マルホンカムイがスタート直後に馬装が外れたため競走中止。同馬を管理する<u style="text-decoration:underline;">金田勇</u>調教師には、<u style="text-decoration:underline;">馬装不備</u>で出走させたとして、8月11日~18日の開催4日間賞典停止の処分が下された。<br>この手の競走中止があるたびに思うのだが、レース内の、馬や騎手に起因するアクシデントではなく、ゲートに入る前から不備があったものとするなら(だから調教師を処分するのだろう)、馬券を買ったファンへの対応は、何かないものなのか。<br><br><br>大いに盛り上がったグランプリウィークの余韻冷めやらぬ中ですが、次開催前節の8月17日(日)には、<u style="text-decoration:underline;">第14回朱雀賞(準重賞)</u>が行われます。5歳限定の準重賞、これが最後の世代戦ですが、前哨戦である瑞鳳賞がやや波乱となりましたので、ここも一筋縄とはいかないもしれません。<br>後節の8月24日(日)には、<u style="text-decoration:underline;">第37回はまなす賞(BG3)</u>が行われます。3歳と4歳のトップ級が干戈を交える二世代限定重賞、今年はハンデもポイントとなりそうで、馬券的にも興味深い注目の一戦です。<br>それでは次開催もお楽しみに<img alt="ラブラブ" draggable="false" height="16" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/035.gif" width="16"></p>
2025.08.14
王者メムロボブサップ、史上初の五連覇達成! 〈第37回ばんえいグランプリ(BG2)〉
<p>8月10日(日)に行われた夏の祭典、第37回ばんえいグランプリ(BG2)は、ファン投票1位の<b style="font-weight:bold;">メムロボブサップ</b>(牡9、坂本)が前々からスムーズに第二障害を越えると後続を突き放して完勝、当レース五連覇を達成しました。同一重賞の五年連続勝利は史上初の快挙で、重賞は通算24勝目。<br>阿部武臣騎手、坂本東一調教師ともにグランプリ5勝目で、阿部騎手は重賞通算47勝目、坂本調教師は重賞通算37勝目。<br>小雨の降る中で馬場水分2.2%、勝ち時計は1分49秒1。後方待機のキングフェスタ(牡6、小北)が終いよく伸びての2着、ハンデ頭のコマサンエース(牡9、金田)が3着に続いています。<br><br>このグランプリ、かつての四市開催時代の1991~94年に、アサギリが四連覇したとの記録が残っています。<br>私は四市時代のことは詳しく語れないのですが、当時は<span style="font-size:1em;">(※グランプリが旭川施行の89年、帯広施行の91年を除き)</span>同じく岩見沢で行われていた岩見沢記念のほうが賞金もレースの格も上。グランプリはあくまで色モノ的な名物レースであり、現在のように夏の最高峰との位置付けとなったのは、帯広単独開催以降だとの認識でおります。<br>だから昨年の四連覇の時点で、実質的にはアサギリより価値があるとしても良かったのだけど、過去の名馬を下げるような言い方はできないので見送り、わかりやすく五連覇を達成したここで晴れて(?)記している次第です(^^;<br><br>そんな余談はさておきですが、8R前あたりから雨が降り始め、以降は想定していた以上に軽い馬場となりました。<br>これに関してのプラスマイナスは各馬あったでしょうが、今回のメムロボブサップにとっては、さほど重要ではないファクター。馬場が重くても軽くても合わせた競馬ができる790キロで、重量関係もいかにも楽。<br>解説者さんが「王者の風格」と評していたパドックは、正直言って私には良く見えず、スイッチが入っていないのか、との印象も少々受けましたが、騎手が跨っていなかったぶんもあるでしょうし<span style="font-size:0.83em;">(まだ武臣さんが乗れないのだろう)</span>、それが割り引きにつながるようなものでもなく。<br><br>道中は先行するコマサンエースを見つつも何度も刻み、前にプレッシャーをかけるというより、なだめながら少し大事に運んでいるとも映りました。それでも自然と前付けの形になるのが地脚の強さですが、余裕十分だったことでしょう。<br>これまで何度もハンデ頭で重賞を勝っているボブサップですが、この馬のすごいところ(の一部)は、積んでも前で引っ張り、自ら厳しい流れを作ることで、ハンデより地力の差が重要になる競馬にできる点だと思っています。<br>それが今回は、自身が恵まれた重量関係。だったら無理に攻める必要もありませんよ、大過なくヤマを越えればもう十分ですよ、という御し方だったのではないでしょうか。<br><br>まあ、このあたりは私が勝手に感じているだけではありますが、コマサンエースを突き放し、キングフェスタを寄せつけずの圧勝。前述のとおり、これが重賞24勝目で、オレノココロが持つ25勝の記録に、また迫りました。<br>今後は、まだ勝っていない年明けの帯広記念が目標と陣営は明言していますが、そこにどのように向かうのか。竹澤オーナーも坂本先生も「内緒」と言っていましたが、20キロ加増までは許容するとのニュアンスも感じられましたし、その前にどこかで重賞を一つ挟むのではないでしょうか。それが北見記念になるのかドリームエイジカップになるのかはわかりませんが(9月に岩見沢記念があるが、騎手が万全ではない中で使うかな?)、次に出走表に名を連ねてきた際にも当然の主役となります。<br><br>キングフェスタはもともとスピードのある馬ですが、テンに出して行って道中で抑えるパターン。障害下でもじっくりタメて一腰でまとめると、下りてからはさすがの伸び脚。<br>軽馬場になったのが大きなプラス、それも前に引っ張られるのではなく、全体時計が前半約60秒-1分49秒1と終いの速い競馬になり、その中で自身は前半約70秒-1分54秒4と、切れ味を活かす形を作れました。<br>馬場とハンデで、特別っぽい流れ<span style="font-size:0.83em;">(ニュアンス伝わるかな(^^;)</span>になった点がまず良かったとは思いますが、それでも790に対応できたのは収穫で、荷物の軽いドリームエイジCあたりでは再度の出番もあるかもしれません。その前に今季も軽量戦へ向かうでしょうか。<br><br>コマサンエースはテンにモタつくことなく出て行けるのが今季の充実と好調の証し。積んでも強気に行って障害一腰、下りてからは、ボブサップに突き放され、キングの切れ味に劣りましたが、ともに20キロ軽い相手。自身は緩まず歩いていますし、ハンデ頭で素晴らしい内容を示したと言って良いと思います。<br>そりゃあボブサップはとてつもなく強いのですけど、自身が積む立場となったここで、これだけの競馬ができたのならば、差が縮まっているとの手ごたえも得たことでしょう。<br><br>タカラキングダム(4着)は道中で押し上げて障害に付いたのは3番手。今回も下でがっちり抑えてから仕掛けましたが一旦ストップ、それでも天板近くまで上がりましたし、二腰目も入りました。たしかに障害の甘さはあるのですが、歩き比べに持ち込める場面も、近いうちに訪れるとは思っています。<br>インビクタ(5着)は先行二頭に競るほどは行かずに、前を見る形。少し遠めからの仕掛けとなった障害も一腰と、内容的にはまずまず。自力で勝ちに出る競馬ではありませんでしたが、ソツなく立ち回って引き続き好調、岩見沢記念も圏内でしょう。<br>ヤマカツエース(6着)は今回も障害一腰、ここに入ると地力で劣るのは否めませんが、登坂力は示しましたし、自身としてはよく動いていると思います。<br>クリスタルコルド(7着)は障害でヒザを折りましたが、止まることはあってもヒザを折ることは珍しい馬。たまたま悪い目が出ましたが、天板近くまで上がっていましたし、すぐに立て直せてもいたので、尾を引くことはないでしょう。改めての期待です。<br><br><br>この三連休は 『ばんえい夏祭り』が行われた帯広競馬場。こども縁日が並び、抽選会が行われ、キッチンカーも多数出店、人気ミュージシャンのステージもあり、大いに盛り上がりました。<br>イベント日には、それが目的の来場者も多く<span style="font-size:0.83em;">(決して悪いことではない)</span>、メインレースの時間帯になると人が減るのが常なのですが、この日は多くの方が残っていましたねえ。9Rあたりからスタンド2階の穴場も混み出すほどでしたが、ばんえい記念デー以外ではなかなかに珍しいこと。<br> </p><p>グランプリを見たい、いや、メムロボブサップが勝つところを見たい、という方が、それほど多かったのではないでしょうかね。<br>そして、ゴール前の残り数mからは、大きな拍手と歓声が上がりました。<br>過去に例を見ない、真のスターホースだと思います。</p><p> </p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20250814/13/banei-koyanogo/a1/9c/j/o2256261015651962857.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="486" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20250814/13/banei-koyanogo/a1/9c/j/o2256261015651962857.jpg" width="420"></a></p><p> </p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20250814/13/banei-koyanogo/45/a9/j/o1080140115651962958.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="363" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20250814/13/banei-koyanogo/45/a9/j/o1080140115651962958.jpg" width="280"></a></p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20250814/13/banei-koyanogo/6f/ba/j/o1080130315651962922.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="362" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20250814/13/banei-koyanogo/6f/ba/j/o1080130315651962922.jpg" width="300"></a></p>
2025.08.10
[8/10 第37回ばんえいグランプリ(BG2)] 戦慄の王者か、反逆の挑戦者か。
<p>ファン投票によって出走馬が選ばれる夏の祭典。落ち着いた頭数となったが、4歳三冠馬の三頭そろい踏みなど、グランプリの名に相応しい好メンバー。その中でも、史上初となる同一重賞五年連続勝利のシーンが見られるかが、やはり最大の焦点。木曜にまとまった雨があった帯広、水分は残り、土曜同様に日没後は時計の出る馬場。日曜昼過ぎに小雨の予報もあり、1分50秒前後の決着か。<br><span style="font-size:0.83em;">(別定:790キロ。本年度収得賞金330万円につき10キロ加増)</span><br><br><b style="font-weight:bold;">・メムロボブサップ</b>(ファン投票1位)<br>今季は阿部の復帰待ちと、先を見据えてのハンデ考慮で遅い使い出しとなったが、初戦の前走で力を示して順当勝ち。人馬ともにまだ完調とまではいかなくても、叩いて型通りの良化が見込めるし、ここがまず大きな目標。最も良さが出る800キロ級で軽めの馬場、大関陣が積む今回は重量関係も断然有利。自力先行の横綱相撲で五連覇。<br><br><b style="font-weight:bold;">・コマサンエース</b>(ファン投票2位)<br>5月のオッズP杯で悲願の初重賞制覇をはたすと、返す刀で北斗賞も制し、9歳にしてさらに充実。競り合いから抜け出した内容も良く、かつての勝ち味に遅かったイメージはもうない。ただ今回は、今季好成績ゆえに20キロ増を課せられる立場、とりわけメムロにハンデを与えては後手に回らざるを得ないか。それでも崩れないが。<br><br><b style="font-weight:bold;">・インビクタ</b>(ファン投票4位)<br>一年以上勝ち星から遠ざかっているとはいえ、今季の重賞で、3・2・2着。勝ち切れなくても地力と登坂力を示しており、デキは高いレベルで安定。軽めの馬場も悪くないが、今回は自身が10キロ積む中で合口の悪い同型メムロが一枚加わり、道中の展開は少し窮屈に。同じペースで行っては苦しくなるが、島津がどう捌くか。<br><br><b style="font-weight:bold;">・ヤマカツエース</b>(ファン投票6位)<br>今季は使い出しから連勝。相手が強化された後は結果を出せず、一番上に入るとまだ足りない力関係でも、自身は乱れず動いており好調。障害巧者で、北斗賞および旭川記念と同様に、ここも一腰が望める。終い詰まる場面が頻見され、残り20mから地力の差が出る現状だが、まだ伸びしろあり、さらなる成長への糧としたい一戦。<br><br><b style="font-weight:bold;">・タカラキングダム</b>(ファン投票7位)<br>昨季の4歳三冠馬。古馬一線級を相手に回し、まずは障害の課題解消に努めているが、三走前および前走は、渡来が障害下でがっちり抑える形から一腰と進境十分。増量に加えて流れも厳しくなる今回は止まってアウトの恐れもはらむが、下りての脚は現役随一、態勢を整えつつある5歳の怪物は王者にとっても脅威。一発あるか。<br><br><b style="font-weight:bold;">・キングフェスタ</b>(ファン投票8位)<br>6歳となり、勝負のシーズンを迎えた一昨季の4歳三冠馬。前走の特別は鮮やかな差し切り勝ちで、切れ味だけなら現役一番だが、障害の甘さが目に付くのは変わらず、古馬重賞だとタメての後半勝負に賭けるしかない。メムロが順当に抜けると見れば、遅れ差しで馬券圏内に間に合う展開も浮かんでくるが、連下の押さえ以上には。<br><br><b style="font-weight:bold;">・クリスタルコルド</b>(ファン投票12位)<br>今季序盤はデキが伴わなかったが、使いつつ上向いて臨んだ旭川記念で重賞6勝目を挙げ、いまや堂々の看板馬。10キロ積む今回は相手を見るよりも自己のリズム重視、速くなった際には無理に詰めて行かないだろうが、登坂力上位で末も歩ける本格派。好調期なら崩れないし、ここも先の高重量戦へ期待が広がる内容を示して圏内。</p><p> </p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20250810/07/banei-koyanogo/0b/1b/j/o1587325215649306126.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="451" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20250810/07/banei-koyanogo/0b/1b/j/o1587325215649306126.jpg" width="220"></a></p>
2025.08.03
第8回開催(7/19~7/28)回顧 鮮やかに切れたキングフェスタ/危なげなくメムロボブサップ
<p>今開催は、開催前日の7月18日にロータリーハローを使用した走路整備が実施されたが、後節は行われず。<span style="font-size:0.83em;">(筆者の備忘録として)</span><br><br>19日は小雨が降る時間帯もあり、メインのユリウス特別(B1-1)は前半約49秒と流れたが、中団追走から第二障害を5番手で下った<b style="font-weight:bold;">ショータイム</b>(牡4、大河原)が長く良い脚を使って差し切り。早くから末脚には光るものを示していたが、残り20mからグイとひと伸びして抜け出した勝ちっぷり良く、二走前に柏林賞2着もあったように、充実目立つ今季。今回が特別初勝利だったが、道中で少しタメたいだけに積むのも決して悪くなく、今後まだまだ楽しめそう。<br>2着<b style="font-weight:bold;">スーパードリーム</b>(牝6、今井)は積極策から粘っての僅差。最後は決め手の差が出たとはいえ、馬場が軽くなり特別でも持ち前のスピードが活きた。5月のカーネーションカップでは右前肢跛行で除外となったが、立て直して近走好調。<br>3着<b style="font-weight:bold;">コブダイヤ</b>(牡5、大橋)は障害でしっかり腰が入り、下りても末までよく歩いた。昇級初戦で好内容、もともとの登坂力に加えて、末脚も確実に強化されており、力をつけている。<br>4着<b style="font-weight:bold;">ネオキングダム</b>(牡7、坂本)は前走現級勝ち、ここも単勝1.7倍の支持を集めていたが、雨が余計。テンが遅いのはいつものこと、それにしても行きっぷりが悪かったが、少し時計要せば巻き返し可能。<br><br>20日の10R(B1-2混合)は、障害を番手で下った<b style="font-weight:bold;">ジェイライフ</b>(牡5、坂本)が抜け出し。昨季は夏場の4連勝も含む6勝を挙げたが、その後は相手強化と増量がこたえたのか障害で崩れる場面も頻見。そこから今季立て直しての快勝で、ここは軽めの馬場も味方したが、再浮上が望める。<br>2着<b style="font-weight:bold;">アシュラダイマオー</b>(牡5、松井)はイレネー記念勝ちの実績が過去のものになりつつあったが、ひと頃の大不振を脱し、昨季後半から障害をまとめて末脚を活かす形が戻ってきた。古馬になって一段階上げられるのが松井厩舎、本馬もここからだろう。<br>3着<b style="font-weight:bold;">ダイリンファイター</b>(牡9、小林)は果敢に飛ばして行ったが、ここも障害で二腰を要した。それはもう仕方なく、赤塚健仁も織り込み済みだっただろうが、二腰目の入り良くデキ安定。この競馬で良い。<br><br>21日の6Rで、ディオネダイヤが第二障害後に転倒、他馬の進路に影響を与えたため、手綱を取っていた<u style="text-decoration:underline;">西謙一</u>騎手は、7月26日および27日の開催2日間騎乗停止に。<br><br>21日の第6回とかち桂冠賞(選抜)は、<b style="font-weight:bold;">キングフェスタ</b>(牡6、小北)が障害を一腰でまとめて4番手で下ると、切れ味を発揮して鮮やかに突き抜けた。第一障害を先頭で越えるほどにダッシュ良く飛び出し、道中でタメて、障害下でもじっくり待って一腰。この形を作れれば下って一気の脚があるが、重賞で同じ競馬ができるかどうか。次開催8月10日のグランプリを使うだろうが、改めて一昨季4歳三冠馬の真価を問う場。<br>2着<b style="font-weight:bold;">ツガルノヒロイモノ</b>(牡6、長部)も障害をスムーズに越えると良い切れ味。さすがに勝ち馬には劣ったが、少しタメたほうが良いし、末まで伸び切った。軽めの馬場で、かつ終いの速くなる流れは、やはり合う。<br>3着<b style="font-weight:bold;">インビクタ</b>(牡9、松井)は単騎先行から障害トップ抜け、自身は前半約62秒-1分56秒6と決して緩んでいないのだが、切れ負けの格好。なかなか勝ち切れないが、デキは高いレベルで安定している。<br>4着<b style="font-weight:bold;">オーシャンウイナー</b>(牡7、中島)は前走の旭川記念で手間取った障害もスムーズ、速い脚も使っているし、末まで緩まず内容的にはまずまず。<br>5着<b style="font-weight:bold;">ギンジ</b>(牡8、久田)は前に離されたとはいえ、障害でヒザをつきそうになりながらも一腰でまとめて好調期。ここは相手が強かったが、組み合わせ次第で。<br>6着<b style="font-weight:bold;">クリスタルコルド</b>(牡6、西)は旭川記念から馬体を33キロ減らしていたが、下見はそう悪く映らず、無理せず内容重視の場面で大過なくまとめて順調。グランプリでも、これ以上馬体が減らなければ問題ないだろう。<br><br>3月15日の調教中に負傷し、休養していた<u style="text-decoration:underline;">阿部武臣</u>騎手(53歳、坂本東一厩舎所属)が、後節26日の5Rより復帰。例によって詳細不明ながらも、左膝の怪我だったと伝わる。同日10Rをジャパントップで制し、今季の初勝利を挙げた。<br><br>26日メインの釧路信金百周年帯西愛信会杯(B2-1混合)は、このクラスらしく特別経験がある馬の少ない組み合わせだったが、B3格付の<b style="font-weight:bold;">ヤマノキング</b>(牡4、久田)が特別初出走初勝利。これが今季の5勝目となったが、障害下りから速い脚を使えて、末までしっかり伸び切れる。今回957キロの馬体はまだ細く映るが、これでもデビュー戦から200キロほど増えているし、増量にも対応してみせた。伸びしろ大きく今後も注目。<br><br>27日の8R(2歳A-1)は、障害を下ってから切れ味を見せた<b style="font-weight:bold;">キングウンカイ</b>(牡2、松井)が快勝。今季の2歳は馬インフルエンザの影響で使い出しが遅くなり、まだ評価を定められる段階ではないが、これで3戦3勝とした本馬が今のところ一歩リードか。<br><br>27日のメインしし座特別(A2混合)は、<b style="font-weight:bold;">ヤマノコーネル</b>(牡6、今井)が障害を一腰で越えると、終いよく歩きわずかに先着。障害課題でも以前より安定してきたし、速い流れで引っ張られるよりは道中落ち着くほうが良い。昨季はかなり強い相手とも組まれたが、確実に地力強化、追い比べの形になれば味が出る。<br>2着<b style="font-weight:bold;">ジェイホース</b>(牡5、松井)も、しっかり伸びての0秒1差。5歳シーズンで相手関係は楽ではないが、自身動いているし、昨季後半からの成長を引き続き示す今季。<br><br>28日のサマーカップ(オープン・A1混合)は、今季初戦を迎えた大臣賞馬<b style="font-weight:bold;">メムロボブサップ</b>(牡9、坂本)が障害トップ抜けから押し切り快勝。普段よりも阿部武臣が強めにバイキするなど、久々ならではの反応の鈍さは見られたが、障害すんなりで危なげない始動戦。次開催のグランプリでは五連覇が懸かる。<br>2着<b style="font-weight:bold;">タカラキングダム</b>(牡5、村上)は道中で押し上げて前々、障害下でかなり待ってからの仕掛け。渡来心路が手綱をソリに引っかけて抑える形を取り始めた二走前と今回は、ともにスムーズに一腰と、良い感触を得ている。増量で流れも厳しくなる重賞に変わってどうか、の不安は残るが、上と勝負できる態勢を整えつつある。<br>3着<b style="font-weight:bold;">サクラヒメ</b>(牝7、今井)は障害でしっかり腰が入り、終いの歩きも上々。今季使い出しからの重賞二戦では乱れたが、前走の勝利および今回の内容から、もう不安ない。グランプリは自重、今後は先を見ながらのレース選択となるだろうが、女王のラストシーズンに引き続き注目。<br>4着<b style="font-weight:bold;">マルホンリョウユウ</b>(牡5、金田)は道中で行きたがる場面も多少あったが、前走よりはスムーズに運べたし、好位から障害一腰と内容十分。経験重視の段階としては及第点だろう。<br><br><br>一時期の酷暑は去ったとはいえ、まだ真夏日となることも珍しくない帯広ですが、次開催後節の8月10日(日)には、夏の大一番、<u style="text-decoration:underline;">第37回ばんえいグランプリ(BG2)</u>が行われます。本文中でも触れた、メムロボブサップの五連覇なるかが最大の焦点ですが、有利な重量関係で、かなり有望でしょう。<br>そのグランプリに合わせ、9日~11日には帯広競馬場で「ばんえい夏まつり」が行われます。詳細はばんえい十勝公式サイト等でご確認いただきたいと思いますが、可能な方はぜひとも本場まで足をお運びください。<br><span style="font-size:0.7em;">えー、もうとっくに次の開催へ移っておりますが……(-_-;)</span><br>それでは次開催もお楽しみに<img alt="ラブラブ" draggable="false" height="16" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/035.gif" width="16"></p>
2025.07.28
[7/28 サマーカップ オープン・A1混合] 王者登場
<p>24日木曜に、過去最高に並ぶ38.8℃の気温を記録した帯広。土曜から気温は下がったが朝晩の湿度が高く、まずは各馬の気配をチェック。今季の収得賞金上位馬は前節に編成され、ここはオープン4頭、A1が6頭の混合となるが、今季初めて出走表に昨季のばんえい記念勝ち馬の名前が載る。<br><br>今季初戦を迎える大臣賞馬<b style="font-weight:bold;">メムロボブサップ</b>。暑い時期にデキを上げなければならない難しさもあり、まずは気配注目だが、先を見据えて待機していただけで、中間にも何度も本走路に入れていたと伝わる。目標は次開催のグランプリでも、使う以上は緩めないのが信条、他のオープン馬は5歳と牝馬という組み合わせなら地力信頼。<br><br><b style="font-weight:bold;">サクラヒメ</b>は今季使い出しからの重賞二戦では乱れたが、障害の修正成った前走は綺麗に抜け出しての快勝。特別条件なら一線級牡馬相手にも引けを取らないとは昨季から示しているし、20キロ増でも690なら問題ない。牡馬相手だとスピードで押すより少しタメたいが、稍軽の馬場歓迎、差せる脚もある。引き続き上位争い可能。<br><br>5歳<b style="font-weight:bold;">タカラキングダム</b>は前走の世代特別でも二腰を要したように、やはり障害ネックの今季だが、カカリ良化し確実に上昇中。テンの遅さは依然残るが、稍軽でも極端には速くならない組み合わせ、自己のリズム重視に構えつつも、道中である程度は押し上げられるか。やがては王者を脅かせるだけの能力を秘め、終い詰め寄りたい。<br><br>同じく5歳<b style="font-weight:bold;">マルホンリョウユウ</b>の前走は障害で一旦止まるなど案外も、やや行く気になりすぎたか、道中から刻むも出すも騎手と呼吸が合わず。引き続き鈴木恵が手綱を取る今回は修正可能、今季使い出しからの好内容を見直せるし、本来は登坂力にも自信。メムロが加わり展開的には厳しくなるが、今季は経験重視、ここも正攻法。<br><br><b style="font-weight:bold;">クリスタルゴースト</b>の前走は、上記世代二強を破っての特別勝ち。昨季後半から障害に大きく悩まされていたが、今季に入って修正、タメが利けば終いに脚を使えることを示す鋭い抜け出しで、勝ちっぷりも上々。相手強化に加えての増量と、条件厳しい今回も抑え気味に運ぶだろうが、前走で得た良いリズムを保っていきたい。<br><br><b style="font-weight:bold;">シンエイアロイ</b>は四開催前に蹄釘症で除外となったが、その後の三戦は障害も安定しているし、骨っぽい相手によく動いており好調。さらに相手強化となる今回、道中はそう無理はできないだろうが、少し軽めの馬場は合うし、下りてからは末までしっかり歩く。好調期には崩れることが少ない馬で、ここでも入着十分。<br><br><b style="font-weight:bold;">マルホンリョウダイ</b>は今季初戦こそ良い形で抜け出したが、その後は障害で苦戦続き。前走は結果一腰だったとはいえ、障害手前での反応が鈍く、騎手の仕掛けと呼吸が合わず。馬体減の前走から一開催空けて気配注目、軽めの馬場へと変わるのはプラス材料だが、まずは障害重点か。相手も揃っているし、今回は様子見。<br><br>5歳<b style="font-weight:bold;">ローランド</b>は昨季急成長、年明けに世代特別2勝を挙げるなど、かつて新馬勝ちを収めた期待の素質馬が軌道に乗った。5歳シーズンらしい厳しさを味わっている今季も、そうは崩れていないし、前走も6着とはいえ悪くない内容。ここでは家賃が高いのはたしかだが先への経験、いまは馬場不問でも稍軽は歓迎で力試し。<br><br><b style="font-weight:bold;">ゴールドハンター</b>の前走は後方待機から障害をまとめ、下りた時点では8番手から一気の差し切り。久々に豪脚が見られたが、先行勢が障害で手間取る展開が味方したのもたしか。前走は自身A2でB1との混合、今回はA1へ昇級してオープンとの混合と条件厳しくなり、すんなり二番が利くか。実績は互角で夏場も動くが。<br><br><b style="font-weight:bold;">アアモンドキーマン</b>は前開催を右前肢跛行で除外。パドックには出てきたが、周回中から明らかに異常が見られた。すぐにここにエントリーしてきたように、症状は軽度のものだったと推測されるが、やはり一度は様子を見たい。相手強化もあり、万全だったとしても展開が厳しくなる場面、いきなり勝ち負けまでは望めず。</p>